小説・人文

イラストブックレビュー

「コンビニ」店員は常識攻撃を防御する鎧

『コンビニ人間 』村田 沙耶香 (著)のイラストブックレビューです。古倉恵子、36歳、彼氏なし。コンビニバイト歴18年。夢の中までレジを打つ、どっぷりとコンビニにはまった生活だ。店員でいるときだけ、世界の「歯車」になれる。
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ぶつかり、重ねながら生まれる新しい響き

『君と奏でるポコアポコ ――船橋市消防音楽隊と始まりの日』水生 欅 (著)のイラストブックレビューです。高校一年生の栗原優芽は、船橋市消防音楽隊の説明会に参加することになった。しかし、思いのほか難しい場所であることがわかる。
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知らなかった家族の顔から見えるもの

『四十九日のレシピ 』伊吹 有喜 (著)のイラストブックレビューです。妻の乙美を亡くし、気力を失った良平と、心に傷を抱えた娘の百合子。そんな二人のもとにやってきた金髪の女の子、井本。彼女は乙美が作っていた「レシピ」を伝えにきたのだった。
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作家の苦悩と恋は作品につながっていく

『ビコーズ 新装版』佐藤 正午 (著)のイラストブックレビューです。次作を書けずにいる新人作家のぼくは、ある日、十代の頃によくつるんでいた友人、寺井と十年ぶりに再開する。しかし、彼はぼくに無茶な依頼をしたあと、姿を消してしまった。
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理想郷なんてどこにも存在しないのだ

『ユートピア』湊 かなえ (著)のイラストブックレビューです。太平洋を望む美しい景観の港町・鼻崎町。車椅子生活の久美香を広告塔に、車椅子利用者を支援するブランドを立ち上げた陶芸家のすみれ。しかしある噂がネット上で流れはじめてから、徐々に歯車が狂い始める。
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あなたの横にひっそりと佇むゴーストたち

『ゴースト』中島 京子 (著) のイラストブックレビューです。古びた風格のある原宿の洋館に出没する少女、戦前から戦後の激動の時代を生き延びてきたミシン。様々なシチュエーションから戦禍の記憶を描く、温かくて切ない7つの短編集。
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自然界と人間界を生きたオオカミの数奇な生涯

『白い牙』 ジャック・ロンドン (著), 白石 佑光 (翻訳)のイラストブックレビューです。厳しい自然界で数々の洗礼を受け、人間のもとで生きる事となったホワイト・ファングと呼ばれる灰色オオカミの数奇な運命を描く。
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物語から透けて見えるアメリカの自由と責任

『大きなたまご』オリバー・バターワース (著), 松岡 享子 (翻訳) のイラストブックレビューです。ある少年が世話をしているめんどりが、見たこともないような大きなたまごを産んだ。そのたまごから生まれた生きものにみんなが度肝を抜かれた!静かな街は一転して大騒ぎ。
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「残りの回数」が見えるとしたらどうしますか?

『あなたが母親の手料理を食べられる回数は、残り328回です。』上野そら (著)のイラストブックレビューです。ある日突然見えるようになった数字。母親の手料理を食べるたびに減っていく数字の意味を理解した僕は、それから母の手料理を食べなくなった。
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体の奥深くに刻まれた傷は癒えるのか

『Shelter』近藤史恵 (著) のイラストブックレビューです。無愛想な整体師、合田力が営む接骨院では、姉妹である二人の女性が働いている。二人は心にある傷を負っているが、合田の下で働くうちに次第に改善していっているかのように見えたのだが。