文春文庫

イラストブックレビュー

その不屈の精神はどこからくるのか

『さよならの手口』若竹 七海 (著)のイラストブックレビューです。探偵を休業し、ミステリ専門の書店でバイト中の葉村晶は、古本引き取りの際に白骨死体を発見し、負傷。入院した病院で同室の、元女優から二十年前に家出した娘の安否についての調査を依頼されるのだが。
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女探偵が挑む 危ないゲームの謎

『悪いうさぎ』若竹 七海 (著)のイラストブックレビューです。女探偵、葉村晶は家出中の女子高生ミチルを連れ戻す仕事で怪我を負う。その後、行方不明のミチルの友人、美和探しを依頼され調査を進めると、他にも姿を消した少女がいた。
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イヌたちによる人間界への革命

『ベルカ、吠えないのか?』古川 日出男 (著) のイラストブックレビューです。キスカ島に残された四等の軍用犬。彼らを始祖として交配と混血を繰り返し、繁殖した無数のイヌたちが、国境も海峡も思想も越境し、戦争の世紀=20世紀を駆け抜ける。
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幻想的で美しい愛の世界を描く

『くちなし』彩瀬 まる (著)のイラストブックレビューです。別れの代償に、私は彼の腕をもらった。(「くちなし」)。幻想的でありながら、心の動きや感情の揺れを感じる繊細でリアルな愛を描く、七つの短編集。
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シニカルでまっすぐすぎる女探偵

『依頼人は死んだ』若竹 七海 (著)のイラストブックレビューです。決して手加減をしない女探偵、葉村晶に持ち込まれる事件たちは、切なくもあり、怖くもある。突然に自ら命を断った人間たちに何が起こったのか。そして葉村に忍び寄る死神の存在とは。
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ゆらゆらと揺れる水面の下で暮らすような

『水声』川上 弘美 (著)のイラストブックレビューです。1996年、わたしと弟の陵はこの家に二人で戻ってきた。ママが死んだ部屋と、南京錠をかけた部屋のある古い家に。夢に現れたママに、わたしは呼びかける。「ママはどうしてパパと暮らしていたの」。
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何者でもない私は、かけがえのない私

『田舎の紳士服店のモデルの妻』宮下 奈都 (著)のイラストブックレビューです。東京から夫の田舎に移り住むことになった梨々子。田舎行きに戸惑い、夫とすれ違い…。三十歳から四十歳の女性の十年間を描く。
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ハードボイルドな女探偵は四十肩

『静かな炎天』 若竹七海 (著)のイラストブックレビューです。ひき逃げで息子に重傷を負わせた男の素行調査。疎遠になっている従妹の消息。タフで不運な女探偵・羽村晶の魅力満載な短編集。
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あの日、あの時まで僕は確かに生きていた

『僕が殺した人と僕を殺した人』東山 彰良 (著) のイラストブックレビューです。少年を殺し、袋に詰めて捨てる連続殺人鬼「サックマン」が逮捕された。彼の弁護を担当することになった「わたし」は、30年前の台湾での少年時代を思い出していた。「わたし」は確かに「サックマン」を知っていたのだ…。
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大切なものを見つける力が「幸せ」につながっていく

『風に舞いあがるビニールシート』森 絵都 (著)のイラストブックレビューです。優れた腕を持つパティシエの気まぐれに奔走させられたり、クレーム対応に向かう車中で若い社員の私用電話を長々と聞かされたり。自分の守りたい価値観や幸せを探し、もがきながらも何かを見つけていく人々を描く。