新潮文庫

イラストブックレビュー

わたしたちのすぐ傍で息づく懐かしく愛おしい世界

『家守綺譚 』梨木 香歩 (著)のイラストブックレビューです。今からほんの百年前。売れぬ物書きをしていた綿貫征四郎は、亡くなった同級生、高堂の父親から家の守をしてくれないかと頼まれる。喜んで引き受けた征四郎が住みはじめた庭付き二階屋には様々な者たちが現れる。
イラストブックレビュー

「おおあたり」はちょっぴりほろ苦いものもある

『おおあたり』畠中 恵 (著)のイラストブックレビューです。貧乏神の金次が太った男からもらった富札が何と百両以上の大当たり。噂を聞きつけた長屋の者が、近所に酒や料理をふるまえ、と言ってくる。おまけに富札が偽物である疑いも出てきて…。
イラストブックレビュー

仕事をするということ、自分と向き合うということ

『この世にたやすい仕事はない』津村 記久子 (著) のイラストブックレビューです。燃え尽きた状態になって前職をやめ、しばらく休んだあと、とりあえず働こうと思い、紹介してもらった仕事は誰かを「見張る」というものだった…。
イラストブックレビュー

流れていくときと人とを描く15の短編集

『ヴェネツィア便り』北村 薫 (著)のイラストブックレビューです。病に伏せっていた双子の弟が、空襲のさなかで気付いた、自分の出生にまつわること。過去、現代、そしてどこでもない空間。様々な状況で時と人を描く短編集。
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「毒親」の「毒」とは?親を理解できない苦しみを描く

『謎の毒親』姫野 カオルコ (著) のイラストブックレビューです。母の一周忌をすませた週末、光世は大学時代に通っていた文容堂書店へ、数十年ぶりに訪れた。店に貼られていた「城北新報」の相談コーナーへ、自分が両親から受けた様々な行為について相談してみようと思いつく。
イラストブックレビュー

「むすびつき」というのは不思議なもので…

『むすびつき』畠中恵 (著)のイラストブックレビューです 。江戸の大店の病弱な若だんな・一太郎は、前世でどんな人だったのだろうか?貧乏神の金次がその昔出会ったという「若長」の話を語り、その人物は若だんなに似ていたと言う。
イラストブックレビュー

洋服たちを通してそれぞれが抱える傷を乗りこえていく

『クローゼット』千早 茜 (著)のイラストブックレビューです。男性だが美しい服が好きな芳は、幼い頃に傷ついた過去がある。服飾美術館で洋服の補修をする纒子もまた、幼い頃の事件がきっかけで男性恐怖症を抱えている。そんな二人は遠い昔の記憶の中でつながっていた。
イラストブックレビュー

ぶつかり、重ねながら生まれる新しい響き

『君と奏でるポコアポコ ――船橋市消防音楽隊と始まりの日』水生 欅 (著)のイラストブックレビューです。高校一年生の栗原優芽は、船橋市消防音楽隊の説明会に参加することになった。しかし、思いのほか難しい場所であることがわかる。
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都市伝説のような「噂」が現実に起こる!?

『噂』荻原 浩 (著) のイラストブックレビューです。新発売の香水の広告戦略として、女子高生にモニターとなってもらい、口コミを利用して噂を広める手法がとられた。香水はよく売れたが、都市伝説化された噂のとおりの殺人事件が発生する。
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自然界と人間界を生きたオオカミの数奇な生涯

『白い牙』 ジャック・ロンドン (著), 白石 佑光 (翻訳)のイラストブックレビューです。厳しい自然界で数々の洗礼を受け、人間のもとで生きる事となったホワイト・ファングと呼ばれる灰色オオカミの数奇な運命を描く。