角川文庫

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『六人の嘘つきな大学生』浅倉 秋成 (著)

IT企業「スピラリンクス」初の新卒総合職採用最終試験に残ったのは六人の大学生たち。最終選考のグループディスカッションに備え何度も会合を重ね互いの信頼を高め合ってきた。六人全員に内定が出る可能性もあったが、課題が変更され「六人の中から内定者にふさわしい一人を決める」と言う内容に。議論の途中、全員分の封筒が見つかり、その一通を開けてみるとそこには内定者の一人を「人殺し」と告発する文章が…。
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『魂手形 三島屋変調百物語七之続』宮部 みゆき (著)

「語って語り捨て、聞いて聞き捨て」袋物屋の三島屋ではこんな風変わりな百物語をしている。嫁いでいったおちかから「聞き手」を継いだのは次男坊の富次郎。語り手からの話をのちに墨絵に描き、桐の箱に封じ込めて聞き捨てとしている。そんな富次郎のもとへ一人の老人がやってくる。富次郎も見ほれるほど粋なじいさまは、十五の頃、実家の木賃宿で起こった話をはじめた。
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『渇水』河林 満 (著)

市役所水道部の職員である岩切は、水道料金を滞納している世帯を訪問し、集金を呼びかけ、それでも支払われない場合は給水を止める仕事をしている。三年分滞納している小出家はいつ訪問しても大人の姿が見当たらず、幼い姉妹だけが対応する。やむなく停水執行の時を迎え、作業を行う岩切と相棒の木田に、帰ってきた姉妹が声をかけた。「もう、お水止まってしまうの?」。
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『ハッピーエンドにさよならを』歌野 晶午 (著)

両親は姉を可愛がり、妹である私のことを嫌っている。姪の理奈からそう聞かされ、いいかにい自分が不公平な目に遭っているかを聞いてあげていた美保子。理奈は何やら決意した様子で…(「おねえちゃん」)。娘を名門幼稚園へ入れるため過密なスケジュールを組み、お金をかけて習い事をさせてきた真智子。いよいよ試験本番の日を迎えたのだが(「防疫」)。日常のちょっとしたズレから戻れない場所へと転がり続け、幸せな結末を迎えることのできなかった、11の物語。
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『ドミノin上海』恩田 陸 (著)

上海の中でも多くの観光客が集まる中国式庭園、豫園の東にある骨董品店に「『蝙蝠』が上海に入った」と連絡が来る。窃盗されたこのお宝を手に入れるべく、店主の衛春は店を出る。しかし、その品は予定されたものと異なった方法で、何故か人気のホテル、青龍飯店の厨房へ…。ホテルのお客やスタッフ、そこへ動物園からの脱走をはかる猛獣までもが入り乱れ、お宝はこちらからあちらへと移動していく。
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『丸の内魔法少女ミラクリーナ』村田 沙耶香 (著)

茅ヶ崎リナは魔法のコンパクトで変身する魔法少女ミラクリーナをはじめてから27年になる36歳の会社員。仕事のストレスや日々の鬱憤を晴らすために役立っていたのだが、モラハラ男に苦しめられている親友を救うため、その男と魔法少女ごっこをすることになってしまい…。表題作「丸の内魔法少女ミラクリーナ」ほか、常識という壁をやすやすとぶち破る4編をおさめた衝撃の短編集。
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『過ぎる十七の春』小野 不由美 (著)

十七歳になる直樹は、中学生の妹の典子とともに、伯母の美紀子と従兄弟の隆が住む家へとやってきたが突然隆の様子がおかしくなる。心穏やかで優しかった隆は、昏い目をして、伯母への態度も冷たくそっけない。完全に隆は別の人間になってしまった。その原因を探るため、伯母の部屋をかき回していた直樹は一冊の過去帳を発見。ページをめくり先祖をたどっていくと驚くべき事実が…。
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『魔女たちは眠りを守る』村山 早紀 (著)

桜の花びらが舞い散る春の宵、古い港町に若い魔女の娘がふさふさした毛におおわれた黒猫とともに帰ってきた。長く赤いくせっ毛の魔女の名は七竈・マリー・七瀬。旅の途中に寄った、かつて住んだことのある町で「魔女の家」と人の子に呼ばれているカフェバーに滞在しながら、人の子の生き様と死を時に手助けしながら見守っていく。
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『バック・ステージ』芦沢 央 (著)

忘れ物を取りに会社へ戻ると、上司の机を漁っている先輩の姿を発見してしまった松尾。先輩である康子さんは、パワハラ上司・澤口の証拠を探していると言う。その勢いに巻き込まれ協力することになってしまった松尾は、翌日康子とともに、自社がプロモーションする舞台へ。劇場周辺では息子のことで悩むシングルマザーや役者に届いた脅迫状など、いくつかの事件が起こっていた。彼らの出来事と、松尾と康子らの行動が次第につながりを見せはじめ、驚きの結末へと導くミステリ。
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『消えない月 』畑野 智美 (著) 角川文庫

小さなマッサージ店に勤める二十八歳の河口さくらは、三十一歳の常連客、松原と付き合うことに。最初は優しかった松原だが、次第にさくらに対して高圧的だったり、束縛したりするように。耐えきれなくなったさくらは、LINEで「別れたい」と告げる。しかし、松原はそれから何十件ものLINEをさくらに送り、さくらの合鍵を返そうともしない。次第に松原の行動はエスカレートしていき…。