肉体から精神の隅々にまで砂に侵食された男

ぬこ
ぬこ

うおっ 床が砂だらけだぜΣ(oдΟ;)

飼い主は海に行ってきたみたいだな

のこ
のこ

砂はどこからともなく

入ってきたりもするわね。

ぬこ
ぬこ

ザラザラするし、肉球の間に入り込んだり

するから苦手なんだよな〜。

のこ
のこ

こちらは砂に覆われた集落に

閉じ込められてしまった男性の

お話よ。

ぬこ
ぬこ

ええっ そりゃ想像するだけでもキツイな!!

なぜ閉じ込められてしまったんだ?

のこ
のこ

その謎が少しずつ明らかになっていくところも

ミステリーのようで惹きつけられるの。

『砂の女』     安部 公房 (著)  新潮文庫

あらすじ

休暇を利用して砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂に埋もれていく粗末な一軒家に閉じ込められてしまう。

あらゆる方法を用いて脱出しようと試みるが、砂に、部落の人間たちにも妨害される。

緊張感あふれる展開の中に人間の本質が見えてくる。

砂に閉じ込められた男

砂丘に棲む昆虫を捕らえようとやってきた男は、現地で一泊させてもらうことに。

案内されたのは村の外れ、砂の崖の下の一軒家。夫と子供を無くした三十前後の女が住んでいます。

翌日、ここを出る気でいた男は、上に戻る様子がないことに気づき、閉じ込められたことを知ります。

集落の人々が彼を閉じ込めた理由と目的はなんなのか。

そして昼も夜も常に体にまとわりつき、家も人も侵食していく砂は、男を苛立たせ、時に恐怖に陥れます。男を引き止め、この地から離れようとしない女、脱出を試みる男の邪魔をする部落の人々。

男の思考や取引の際は饒舌ですが、女や部落の人々は口数が少なく、考えていることがわかりにくく、不気味に感じる部分でもあります。

まとめ

砂を掻き出すだけの日々の生活。それは男の意識に変化を与えていきます。砂に埋もれたのは家だけでなく、これまでの彼自身そのものなのかもしれません。

<こんな人におすすめ>

砂に閉じ込められた男の物語に興味がある
行き場を失った男の精神状態の変化を描いた話を読んでみたい
安部 公房のファン

ベルさんも「砂の女」を購入されたようですね!

本を1万円分買ったから紹介するよ!【6月】
ぬこ
ぬこ

なんかこの展開、ドキドキするな!

のこ
のこ

追い詰められていく心理的サスペンス、

集落や女の謎に関わるミステリー。

そんな状況の中で変化をしていく男性の心境にも

注目したい物語よ。

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