のこ
こちらは土地を騙し取る
「地面師」のほか、昭和30年代の
社旗情勢や人間の欲望を描いた
6つの短編集よ。
ぬこ
そんな大事なものを
簡単に騙されてしまうものなのか?
のこ
騙される方にもそれなりの
事情があるわね。地面師の手口も
鮮やかなの。
ぬこ
ほう。どんな手口なんだろう。
興味深いな。
『地面師』 梶山 季之 (著)、山前 譲 (編集) 光文社文庫
あらすじ
ずさんな経営から、倒産寸前へと追い込まれてしまったS製薬。銀行が貸し渋りする中、資金繰りに奔走する経理部長、滝沢のもとへ、九州に広大な不動産を所有する資産家の協力を得られるという情報が入ってきたのだが。表題作ほか昭和30年代の時代背景をもとに、社会情勢と人間の欲望を描いた推理小説6編を収録。
栄養ドリンクが売れたことをきっかけに事業拡大したS製薬は、その無理がたたり倒産寸前に追い込まれます。経理部長、滝沢の様子を見て気にかけた、経済誌の記者・深見は、取材で知り合った九州の資産家・吉村氏を紹介します。吉村の不動産を担保に資金調達しようと考えたのです。
まとめ
デフレの背景、倒産寸前の企業、銀行、田舎の資産家。それぞれの思惑が緊迫したやり取りから伝わってきます。彼らの欲望を冷ややかな目線で描く、キレ味のある短編集です。
<こんな人におすすめ>
時代を反映した社会的な推理小説を読みたい
「地面師」の手口などに興味がある
梶山 季之のファン
リンク
ぬこ
いやあこれは…
切羽詰まってたらやられて
しまうかもしれないな(・・;)
のこ
昭和の力強く、混沌した
空気感も味わえる物語ね。
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