こちらは売れない脚本家の青年が
新宿ゴールデン街の飲み屋で知り合った女性や
猫たちと触れ合い、変わっていくお話よ。
ゴールデン街の飲み屋かあ。
いろんなお客がいそうだな。
そんで猫が登場するのか?
そうなの。店を通りかかる
猫を当てる賭けをしてお客さんたちは
楽しんでいるよの。
楽しそうな店だなあ。
主人公は売れない脚本家というが
仕事の面ではどんな変化があったんだろう?
『新宿の猫』 ドリアン助川 (著) ポプラ文庫
あらすじ
有名な構成作家に弟子入りし、仕事といえばアイデア出しや雑用ばかりのボク。
あるとき、ふらりと入った新宿ゴールデン街の店、「花梨花」では、客たちがギャンブルをしていた。
店には特徴を捉えた猫のイラストと名前が描かれた表があり、店の窓の外をどの猫が通るのかを客たちが予想する。
その表を作った夢ちゃんは店で料理を作り、行き場のなくなった猫たちの世話をする。
そしてボクと夢ちゃんはある約束を交わすのだ。
何をやっても今ひとつうまくいかない「ボク」
誰もが追い立てられるように急ぎ、華やかに金を撒き散らす時代、ボク」は色覚異常のために就職試験も受けることができずに様々なバイトをしていました。
やがて師匠と出会い、弟子入りすることに。
脚本を書いても読んでもらえず、雑用すらうまくこなすことができず、師匠は感情的に理不尽な言葉を投げてきます。
そんなときに出会った店「花梨花」は、無愛想な夢ちゃんが料理を作り、個性豊かな客たちが「猫ギャンブル」を楽しんでいます。
夢ちゃんの秘密と二人の約束
師匠を店に連れていくと、この「猫ギャンブル」をバラエティ番組で使おう!」と上機嫌に。
それはちょっと…と言った「ボク」に師匠がキレて、夢ちゃんが止めに入ります。
これをきっかけに夢ちゃんと会話を交わすようになった「ボク」は夢ちゃんの秘密を知り、そしてある約束をするのです。
まとめ
自分の進む道は合っているのか。
苦しみながら進む人々の前に現れる猫。
夢ちゃんが猫を助けるのは、上を向こうにも向けない自分が救われるように感じるからなのでしょう。
都会の隅で生まれる、小さく光る言葉たちが心に響く、温かな物語です。
<こんな人におすすめ>
人生に迷っている時にそっと道を照らしてくれるような物語を読みたい
優しくて力のある文章が好きだ
ドリアン助川のファン
ごちゃごちゃした世界の中に
大切なものが隠れているみたいだ。
宝石みたいな言葉が
胸に沁みてくるぜ…( ゚இωஇ゚)ウルウル
人生の道に迷っている時は
本当に大切なものを見つけるための
助走期間なのかもしれないわね。
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