こちらはイケメン名物店長のいる
コンビニ店をとりまく人間模様を
描く『コンビニ兄弟』第二弾よ。
感動もするけどユーモアセンスが
秀逸だよなあ。前回もゲラゲラ
笑っちゃったぜ。
今回は笑いはやや少なめかも。
心の柔らかい部分と硬い部分を持つ
女子高生たちの友情や気づきなどが
描かれているわ。
そういや前回気になる終わり方をした
あの女子高生、今頃どうしてるのかな?
『コンビニ兄弟2 』 町田 そのこ (著) 新潮文庫
あらすじ
九州を拠点として展開するコンビニ・テンダネス。
数ある店舗の中でも高い売り上げを出す門司港こがね村店には、危険なほどにフェロモンをふりまく名物店長と、その威力に反応を示さないスタッフたちが日々働いている。
日常生活にヒビが入り、きしみを感じる客たちが店にやってきては、新たな視点やつながりを手に入れ、そしてまた誰かへとつないでいく。
祖母の変わりように驚く詩乃
彼氏に心変わりされ、ふられた高校一年生の詩乃。
勝手な元彼の言い分や、親から価値観を押し付けられることにモヤモヤしています。
学校をサボりコンビニへ行くと、なぜか自分の祖母がいて、恥ずかしげにイケメン店長に話しかけています。
質素倹約を地でいく、無愛想な祖母の変わりように驚く詩乃ですが…。
正しいと主張する自分を変えられない美月
また、親友から別れを告げられた美月は、好きでもない友人と調子を合わせ、つまらない高校生活を送っていました。
自分の意見が正しい、だから自分の意見は変えられない。
そう生きてきた美月ですが、その考えを揺るがすような出来事が起こります。
そんな美月の前に現れたのは、クラスでは変わり者として浮いている女の子、志摩でした。
まとめ
押し付けられる価値観との戦い、自分自身に価値があると思えないこと、正しさのナイフで人を傷つけてしまったこと。
様々な悩みを抱える彼らですが、コンビニスタッフや客同士の交流から、違った視点を得て、次の一歩を踏み出す力を得ていきます。
その力を、別の悩める人たちにつないでいく彼らを、そして自分のことも応援したくなる、心温まる物語です。
ある!あるよなあ
周囲が自分を理解していないと思い込んで
いるんだけど実は、自分がその価値観を
人に押し付けていたっていう。
その「気づき」の描写が秀逸だ。
登場人物たちの個性は強いのだけど、
見た目と反して悩む人々にそっと寄り添っていたり
自分らしい形で力になろうとする姿が印象的。
どのキャラも魅力的で、
続きが楽しみになるシリーズね。
一作目『コンビニ兄弟―テンダネス門司港こがね村店』のイラストブックレビューはこちらからご覧いただけます。
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