こちらは事件の遺留品や資料を
保存する「警視庁付属犯罪資料館」の
館長が未解決の事件の真実を見つけ
出していくミステリーよ。
一応処理としては終わっている
事件を再捜査するってわけ?
過去の証拠からそんなことが
できるのか?
館長の緋色冴子は捜査資料と
証拠品から齟齬の生じる点を見つけるの。
こちらに配属された寺田聡に捜査をさせて
事件の解決へと導くわ。
安楽椅子探偵ならぬ安楽椅子警察?
資料と証拠品から推理するなんて
相当頭が切れそうだな。
『赤い博物館』大山 誠一郎 (著) 文春文庫
あらすじ
三鷹市の閑静な住宅街の一角に建つ、「警視庁付属犯罪資料館」。
コミュ力ゼロ、雪女のような冷たく整った顔立ちの館長、緋色冴子とともに、これまでの事件の証拠品の整理・管理をすることになった寺田聡。
それだけではなく、冴子の指示に従って、終わったはずの事件を再捜査することも。
遺留品や資料をもとに過去の事件の真実を見つけ出すことはできるのか。
証拠品と資料から過去の事件の真実を探る
捜査一課に所属していた聡ですが、捜査情報の漏えいというミスを犯し、犯罪資料館に異動となります。
冴子の階級は警視。
キャリア出身だが捜査経験はなく、8年もここの館長を務めています。
無口で表情に乏しい冴子ですが、証拠品と捜査書類に違和感を感じると、聡に捜査資料を読み込むよう指示し、そして事件の関係者に会い、話を聞いてくるように命じます。
社長殺害事件、女子大生殺害事件、交換殺人の謎。
一見、何の問題もなく終結したかのように見える事件の真実を、冴子は資料と証拠品から推理し、真実を見つけ出します。
まとめ
自分のミスから刑事への道を断たれたかのように見えた聡。
しかし、鋭い観察力と分析力を持つ冴子の手足となり、事件の捜査に関われること、事件を解決へ導くことに喜びを感じます。
それが時として前の職場との軋轢を生むことにもなるのですが…。
複雑に入り組んだかのように見える犯罪者たちの行動や心理、そしてトリックを論理的に解明していく本格的なミステリーです。
<こんな人におすすめ>
事件の証拠品を補完する博物館に興味がある
保存された証拠品や資料から未解決事件を解決するミステリーを読んでみたい
大山 誠一郎のファン
トリックも動機もお見事!
理路整然としていて説得力がある。
何よりこの館長の切れ味の鋭さ…。
もっと読みたくなる〜o(≧◇≦)o
複雑に入り組んだ状況を
論理的に解明していく
見事な本格ミステリーね。
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