こちらは人違いによって
命を狙われてしまう男性が
追っ手から逃れながら真相を
探っていくサスペンス・ミステリーよ。
ほほう。間違えられてしまうほど
よく似ていたのが不運だったんだんだな?
というか、特徴のない顔なので
いろんな人間に間違われていた人
なのよ。それを生かした仕事を
していたのだけど、そこで肩を
刺されてしまうの。
ええっ!?いろんな人に似てるって!?
しかし命を狙われるなんて。オリジナルの
人物はいったい何をやらかしたんだ?
『平凡すぎて殺される』
クイーム・マクドネル (著), 青木 悦子 (翻訳)創元推理文庫
あらすじ
『平凡すぎる顔』を持つ28歳のポールは、ある事情から無職のまま病院を訪れ、彼を自分の息子や知人と思い込む老人たちの心を癒す日々を過ごしていた。
ある日、末期ガンの老人を見舞うと錯乱した老人に肩を刺されてしまう。
老人は有名な誘拐事件に関わったギャングだった。
それからポールは命を狙われはじめる。
誘拐事件の真相、そしてポールの命を狙う犯人とは。
老人を見舞うポールを襲った悲劇
老人たちと面会するポールを見て、看護師のブリジットはある末期ガンの老人に会ってくれないか、と彼に依頼します。
病室を訪れると、ポールのことを誰かと間違えた老人に肩を刺されてしまいます。
老人はその後すぐに死亡しますが、彼が有名な誘拐事件に関わった仲間であることが判明。
そしてポールの自宅には何者かから「逃げろ」と告げる電話が入ります。
今回の騒ぎで停職になってしまったブリジットと合流。
ポールの車の下に爆弾が仕掛けられていたこともわかり、身の危険を感じた二人は知人のツテを頼り逃亡します。
自らの身体を張って手に入れた情報の先へ向かった二人を待ち受けていたこととは。
まとめ
平凡な顔を持ち、ヘタレ気味な男ポールと、好奇心旺盛だけど車の運転が致命的に下手なブリジット。
このメイン二人に加え、古株の刑事と新米刑事のコンビ、ポールを長く見てきた刑事、そしてポールと知り合いの老人たちが、誘拐事件の真相とポールの過去をテンポ良く展開していきます。
刑事たちの熱いドラマも見どころのひとつ。
登場人物もページ数も多いですが、最後まで一気読みしてしまう、夢中になるサスペンス・ミステリー。
<こんな人におすすめ>
人違いから命を狙われるサスペンスミステリを読んでみたい
逃げながら過去に起こった事件の真相を探っていく物語に興味がある
ヘタレな主人公と運転下手な看護師コンビが活躍する話を読んでみたい
まさに息もつかせぬ展開!!
ピリピリした空気の中にも
ウイットを効かせているのが
スパイスになっているな。
過去の誘拐事件と警察内部の確執、
そして逃亡劇が同時に進行する
ハラハラドキドキのサスペンス・ミステリーね。
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