こちらは葉崎市で起こるミステリーよ。
葉崎市の海岸にあがった身元不明の死体、
そして古書店で発見された女性の死体を
めぐる、コージーミステリーなの。
おっ 待ってました!葉崎市シリーズ!
地元ならではの人間関係や事件の背景が
毎回おもしろいミステリーだよな。
今回は被害者が葉崎市の中で
わりと有名な名士の関係者だったり
するのよ。
地元名士の関係者ねえ。
市内での影響力とか親戚との関係とか
いろいろトラブルの原因はありそうだ。
『古書店アゼリアの死体 葉崎市シリーズ』
若竹 七海 (著) 光文社文庫
あらすじ
失業してしまった相澤真琴は、宿泊ホテルで火事に遭い、新興宗教による強引な勧誘から逃げ出し、葉崎市の海岸へとやってきた。
海に向かってバカヤローと叫んだ彼女の前に、波に押し出され流れてきたのは人間の死体だった。
古書店アゼリアの女店主、紅子に気に入られ、期間限定で店をまかされることになった真琴。
しかし、葉崎市の女帝と恐れられている前田満知子の死体が書店で発見される。
海で見つかった死体は事故死か自殺か、そしてその正体は。
また、女帝を殺害した犯人とその動機は何なのか。
駒持警部は五木原巡査部長とともに事件の捜査を行うのだが…。
不幸続きの果てに死体まで発見!?
不幸続きでほぼ無一文の状態になってしまった真琴は、葉崎市の海岸で死体を発見。
通報したところ警察にあらぬ疑いをかけられ憤慨します。
立ち寄った古書店アゼリアの老いた女店主・紅子に本についての知識を認められ、紅子が入院する間、店を預かることに。
また、真琴が発見した死体は十二年前に行方不明となった真知子の甥にあたる前田秀春ではないかと考えられましたが、真知子はこれを否定。
そして彼女は、アゼリアの店内で何者かに背後から頭を殴られた死体となって発見されるのです。
またもや疑いの発言を向ける五木原に真琴はキレまくり。
横ではなにやら理解した駒持の姿が…。
まとめ
地元ならではの、名家絡みの問題や噂が事件の真相をより複雑で見えにくくしています。
その中での真琴の不幸ぶりや、豪気で懐の深い紅子とのやりとりは、コメディを見ているようなユーモアに満ちています。
シリアスなお家騒動とドタバタ人間ドラマの笑いのバランスも楽しいコージーミステリーです。
<こんな人におすすめ>
古書店と地元名門家が絡んだコージーミステリに興味がある
葉崎市シリーズのファン
若竹 七海のファン
葉崎市シリーズのレビューはこちらからご覧いただけます。
著者は不幸な登場人物が好きなのか?
ちょっとちょっとそれはかわいそう…
と思いながらもつい笑ってしまう展開が
見事だよな。
地元ならではの込み入った
事情や人間関係が細やかに
かつコミカルに描かれた
コージーミステリーね。
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