こちらは老人ばかりが住む町
辛夷ヶ丘で起こる事件を
所轄の凸凹コンビが捜査に奔走する
連作ミステリーよ。
老人ばかりの町なら
平和なんじゃないの?
今まではそうだったの。
でも放火殺人事件を皮切りに
町の名士がひったくりに遭ったりと
様々な事件が起こるのよ。
ほほう。その事件たちは
何かつながりがあるのか?
まあ所轄の警察が頑張ってくれてるなら
町も安全だろ!
『殺人鬼がもう一人』若竹 七海 (著) 光文社文庫
あらすじ
都心に出るまで満員電車で一時間。
昭和の時代にベッドタウンとして開発され、今では老人ばかりが住む町、辛夷ヶ丘。
のどかで事件や事故もめったに起こらないこの町で、放火殺人事件が発生。
その後、町一番の名家の当主・箕作ハツエがひったくりに遭う。
辛夷ヶ丘警察署生活安全課の砂井三琴は相棒の田中盛とともに捜査に向かう。
平和なはずの辛夷ヶ丘で起こる数々の事件
もとは崖だった場所を宅地造成したため、家と家の間は狭く道も入り組んでいる辛夷ヶ丘。
この辛夷ヶ丘警察署に異動となった三琴は、これまでと違い定時で帰れる日が増えたことを喜んでいたのも束の間、二週間前に起こった放火殺人事件をきっかけにひったくりや詐欺事件が次々と発生。
被害者である地元の名士・ハツエに名を売りたい生活安全課の課長は、三琴と田中に捜査を命じます。
さらに、ハツエの遠縁にあたる近藤昭穂の家が火事になり、昭穂の死体が発見されます。
彼女の会社の経営状況は逼迫しており、ハツエの詐欺事件にも絡んでいたらしき物証が発見されたのですが…。
まとめ
正義よりもお金。
そんな三琴と田中のコンビは、のらりくらりと辛夷ヶ丘の安全を守っているように見せながら、町で起こる事件の真実を即座に見つけ出し、自分たちの利につなげていきます。
辛夷ヶ丘を舞台に起こる物語いの数々は、笑ったりヒヤリとさせてくれながらあっと驚く結末へと導きます。
悪人だらけで笑っちゃう、毒気をたっぷりと含んだ連作ミステリーです。
<こんな人におすすめ>
悪い奴らがたくさん登場するミステリーに興味がある
都会から見捨てられたような町の中で起こるトラブルを描いた話を読んでみたい
若竹 七海のファン
悪い奴らばっかりじゃないか!!
みんな悪すぎてむしろニヤニヤしちゃうぜ。
狐と狸がわんさといる山の中の
ようね。でも彼らの優れた推理力と
警察としての捜査能力にも注目の
ミステリーね。
本やイラストレビューが気に入っていただけたらポチッとお願いします。