こちらはある高校で起こった
連続自殺事件の真相を探る
青春ミステリーよ。
連続ってのは気になるけど
自殺なわけでしょ?
それって事件なのか?
犯人は「相手を自殺させる力」を
持っているのよ。他にも別の能力を
持つ生徒がいて、彼らが協力して
犯人を探し出し、どのように生徒を
自殺させたのかを推理するの。
え?特殊能力出ちゃう??
そのシチュエーションで
どうやって推理をしていくんだろう?
『教室が、ひとりになるまで』浅倉 秋成 (著)角川文庫
あらすじ
北楓高校ではひと月の間に三人もの生徒が自殺するという事態が起こっていた。
ひとりは学校のトイレで首を吊り、ふたりは校舎から飛び降り、命を落とした。
垣内友弘は幼なじみである白瀬美月から「彼らは殺された。次は自分が殺される。」と聞く。
犯人は『他人を自殺させる力』を持つらしいのだが…。
相手を自殺させる「死神」の正体とその力とは
友弘のいる二年A組と隣のB組は、親交を深める目的で、合同レクリエーションを何回か行っています。
その一つである仮装パーティーの場で、美月は死神の扮装をした女生徒から話しかけられ、最初の二人は自分が殺したのだ、と聞かされます。
次は美月か、高井という男子生徒を自殺させる、とも。
恐怖で美月は自宅に引きこもり、高井が窓から飛び降りて…。
一方、ふとしたきっかけで相手が嘘をつくことがわかる能力を手に入れた友弘。
他にもそんな特殊能力を持つ生徒がいることがわかり、協力して「死神」の正体を突き止めようとします。
「死神」に、人を自殺させる能力はあるのか、そしてその方法はどのようにして行われたのか。
まとめ
積極的でキラキラした高校生たち。
「楽しいよね?楽しもう」と善意で皆の手を取りますが、それが人によっては苦痛なこともあるのです。
そして特殊能力を用いて行われる殺人の手法、トリックは見事で思わず唸ります。
特殊能力という飛び道具を使いながらも、若者の傲慢さや苦悩、孤独、そして友情などその心の揺らぎをていねいに描く、胸に刺さる青春ミステリです。
<こんな人におすすめ>
特殊能力を使った殺人事件のトリック解明に興味がある
青春の葛藤や苦しみが描かれた青春ミステリを読んでみたい
浅倉 秋成のファン
なるほどねえ〜。相手を自殺に
追い込むトリックとアリバイ作りは
見事なものだな。それを解き明かした
友弘もすごい(*゚0゚*)!
その手法の見事ではあるけれど
彼らの葛藤や苦しみといった心の
動きを丁寧に描いた青春ミステリーね。
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