こちらは作家でひきこもり気味の父親が
生まれてから一度も会ったことのない
25歳の息子と同居をするお話よ。
一度も会ったことないの!?
25年も??事情はよくわからんけど
感動の再会になりそうだな。
ところがそうでもないのよね。
作家である父親は世間知らずで
ちょっとずれたところがある人なの。
息子のほうは人懐こくて要領がいいいわ。
そんな息子の登場で父親の生活は大きく変わるの。
ほお〜。いい歳した親父が
どんなふうに変わっていくんだろうな。
気になるぜ。
『傑作はまだ』 瀬尾まいこ(著) 文春文庫
あらすじ
作家として仕事を続け、そこそこ売れるようになった50歳の正吉は、一軒家でほぼひきこもりの生活をしている。
その家に突然、生まれてから一度も会ったことのない25歳の息子・永原智がやってきた。
外の人との関わりを持たず、世間知らずの父親と、明るくて要領が良く、たちまち人の輪に溶け込む息子の、奇妙な同居生活が始まる。
初めて会った息子と同居することに
合コンで意気投合した女性・美月と関係を持ち、美月は妊娠。
しかし、互いに性格が合わないことに気づき、結婚はせず、正吉は毎月養育費を振り込み、美月からは智の写真が送られていました。
そんな、写真でしか見たことのない智が突然現れ、次のバイト先の店舗が完成するまで、この家に住ませてほしい、と言います。
わけもわからず戸惑う正吉ですが、断ることもできず、二人の同居生活はスタート。
智の入れるインスタントコーヒーの味に驚き、からあげクンがおいしすぎて智の分まで食べてしまったり。
コミュ力抜群の智が自治会に勝手に入会し、これまで一切なかった近所の人たちとも、正吉はおずおずと交流を進めていきます。
まとめ
自分の仕事以外のことに全くと言っていいほど目を向けてこなかった正吉。
智の明るさと行動力に振り回されながら少しずつ周囲との関わりを意識するようになっていきます。
そして自分が小説を書いていた25年の間、美月や智たちがどうしていたかを知った時。
大切な人がすぐそばにいると気づいたその瞬間、正吉は極上の幸せを手に入れたのです。
人との関わりや新しく挑戦することは、煩わしい部分もあるけれど、自分ひとりでは手に入れることのできない幸せを感じられるのです。
<こんな人におすすめ>
生まれてから25年、はじめて対面する父と息子の奇妙な同居生活を描いた話に興味がある
家族っていいなと思えるようなあたたかな物語を読んでみたい
瀬尾まいこのファン
わははは(´∀`*)
さすがは瀬尾さん!!
シリアスになってもおかしくない状況を
トボけた笑いで場をあたためてくれるな!
家族という存在のありがたさ、
愛しさを感じさせてくれる
物語ね。
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