こちらは古いアパートで
発見されたタイムマシンをめぐって
大学生たちが繰り広げる
ドタバタ青春SF物語よ。
タイムマシンだって!?
大学生たちはどの時代に行くんだ?
過去?未来?
「昨日」よ。
エアコンのリモコンが壊れる前の
状態に戻って、リモコンを
り戻そうと考えるの。
近っ!!
でもリモコンを取ってくるだけなら
すぐにすみそうだけどな…?
『四畳半タイムマシンブルース』
森見 登美彦 (著)角川文庫
あらすじ
八月十二日の昼下がり、自室のクーラーのリモコンが壊れ絶望していた「私」はタイムマシンを発見。
涼しさを取り戻すために後輩の明石さんや友人の小津、先輩たちとリモコンが壊れる前の昨日へ行くことを思いつく。
しかし彼らを送り出したところで「私」は過去を改変してしまったら世界は消滅してしまうのでは、と考えた。
辻褄をあわせるために動き回る我々に明るい未来はやってくるのか。
タイムマシンで壊れていないリモコンを取り戻せ
エアコンのついていないおんぼろアパートに住む「私」は唯一エアコンが設置された209号室へと移り住むことができました。
しかしその涼しさの恩恵を受けたのはたった数日。
友人の小津がリモコンにコーラをこぼし、エアコンが効かなくなってしまったのです。
「私」や小津、アパートの住民も出演させてアパートの敷地内で撮影していた映画サークルのメンバー、明石さんも責任を感じている様子。
廊下に置かれたタイムマシンらしきものを発見した彼らは、昨日へ戻って壊れる前のリモコンを回収しようと考えます。
小津と先輩二人を送り出した後、過去を変えると、昨日に沿った「今日」がなくなる。
つまり、今ここにいる我々も消えてしまう。
辻褄を合わせるために必死に知恵を絞る「私」たち。
やがて戻ってきたタイムマシンは無人で、貼り付けてあった紙には「諸君も遊びに来たまえ」という一文が記されていたのです。
まとめ
涼を取る、というささやかな願いと恋心を抱きつつ、ほんの一日をさかのぼって繰り広げられるドタバタ劇。
過去と現在の構成が見事で、思わず「そうだったのか!」と膝を打つ場面がいくつも登場します。
笑いあり、恋あり、青春ありの大満足なSF小説です。
<こんな人におすすめ>
大学生のアホらしくて賑やかな青春小説を読んでみたい
学生たちがタイムマシンを手に入れたらどうなるかを描いた小説に興味がある
森見 登美彦のファン
なんとも賑やかで楽しい連中だな。
未来からやってきたモッサリ君も
いい味出してる〜!!
破天荒な彼らが所狭しと
動き回る、ワクワクドキドキの
青春SF小説ね。
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