こちらは同級生の遺体を
発見するも、そのあと紛失して
しまったその遺体の謎を明らかに
するために真相を探る小学生の
男子のお話よ。
うわあ ショッキングな現場を
目にしてしまったんだな。
だけどその遺体がなくなっちゃったのか?
そうなの。警察が駆けつけた時には
遺体はなかったわ。体液などの痕跡は
あったのだけど…。幼い妹といろんな
ところをまわって話を聞いたりしていくの。
ううむ。何やら事件の香りが。
危険な目に遭わないといいけど。
『向日葵の咲かない夏』道尾秀介 (著) 新潮文庫
あらすじ
夏休みを前に生徒たちが浮き立つ終業式の日。
小学四年生のミチオは学校を休んでいるS君の家にプリントと宿題を届けることになった。
S君の家でミチオが目にしたのは首を吊って死んでいるS君の姿。
慌てて学校に戻り先生に報告したミチオ。
しかしS君の死体は消えてしまった。
一週間後、S君は別の姿となって現れ、「自分は殺された」のだと主張。
ミチオは三歳の妹、ミカとともに事件の真相を探りはじめる。
消えた友人の首吊り死体
ミチオの報告を受け、担任の岩村先生と警察が現場に駆けつけた時には、S君の死体はこつ然と消えていました。
大人たちに疑いの目を向けられ、母親にもひどい言葉を投げつけられるミチオ。
S君の死体が見つからないまま七日間が過ぎ、ミチオは彼の気配を感じるように。
S君は人間ではない別の姿となって現れ、自分は殺されたのだと発言。
それも彼らが良く知る人物に。
そしてS君はミチオとミカに「僕の身体を見つけて欲しい」と宣言します。
街で起こる犬猫への残虐な行為、S君が亡くなった当日の姿を見た、という老人。
不穏な出来事や彼らの発言は何度も読者を驚かせ、ミチオ、ミカ、S君たちが予測不能な真実へと近づいていきます。
まとめ
友人の死の謎を追うミステリー、転生を描くファンタジー、猟奇的な事件と関わるサスペンス、毒親との関係を描く人間ドラマなど、多くの要素が絡まり、謎の密度をいっそう高めます。
いくつもの事件の影、登場人物の蛮行の裏には、抑えきれない悲しみが漂います。
物語の結末には魂が抜かれたような脱力感を覚える驚愕のミステリーです。
<こんな人におすすめ>
ファンタジーやミステリーなど多彩な要素を含んだ物語を読んでみたい
小学生が同級生の死の真相を見つけ出す話に興味がある
道尾秀介のファン
( ゚д゚)
Sくん… 先生…おじさん…
エグい衝撃悲しい…
罪をおかす理由はいろいろあるんだな。
衝撃の結末に、しばらくその余韻が
体から抜けないわ。多くの人に
刺さるという評判も納得のミステリーね。
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