こちらは高齢者向け共同住宅で
亡くなった老婦人の状況に不審を
感じた介護士の女性が、知人や
地元の刑事たちと真相を追うミステリーよ。
老婦人が?老人であれば
突然亡くなるってことは
よくありそうだけど。
老婦人は多くの作家にアイデアを
提供するなどして彼らと交流していたの。
介護士が彼女の部屋を調べているときに
銃を持った人物が現れ、本を1冊奪って
逃げるのよ。
うわあ〜 その盗まれた本に
何か重大な事実が隠されているのか?
気になるぜ!!
『窓辺の愛書家』
エリー・グリフィス (著), 上條 ひろみ (翻訳) 創元推理文庫
あらすじ
海岸沿いに建つ高齢者向け共同住宅「シービュー・コート」で一人の老婦人が亡くなった。
九十歳で本好き、多くの推理作家と交流していたペギーの死因は心臓発作によるものとされた。
しかしペギーを担当していた介護士のナタルカはこの死を不審に感じ、ハービンダー刑事に相談。
さらにペギーの友人であった老紳士のエドウィン、カフェオーナーのベネディクトらとともにペギーの死について真相を探るうち、彼女と関わりのあった人物が殺害される。
ハービンダー刑事と、素人探偵三人組はこれらの謎を解くことができるのか。
愛書家の死からはじまる連続殺人事件の謎
推理小説好きのペギーは、推理小説内の殺人アイデアを多くの作家に提供し、作家たちから「殺人コンサルタント」と呼ばれていました。
そんな彼女が突然亡くなったことを不審に思った介護士のナタルカは、ハービンダー部長刑事に相談。
ペギーの息子が遺品を早く処分したがっていることを知り、ナタルカはベネディクトとペギーの部屋に侵入し、何か証拠となるような品はないかと調べます。
すると二人の前に銃を持った人物があらわれ、一冊の本を奪い逃走。
また、ペギーと交流のあった作家が銃殺死体で発見されます。
他にもペギーと関わりのあった人物がある文学フェスティバルに参加することを知り、ナタルカとベネディクト、エドウィンの三人は現地へと向かいますが、ここでさらに新たな犠牲者が…。
まとめ
ウクライナ人の介護士、元修道士のカフェオーナー、ゲイの老紳士にゲイでシークの女刑事と、人種と社会のるつぼのような個性豊かなキャラクターたちが動き回ります。
巧妙に仕組まれた伏線は、ドラマティックな幕切れとともに見事に回収。
イギリスの礼儀正しさやゲイの葛藤、作家の心情など多角的に楽しめる珠玉のミステリー。
<こんな人におすすめ>
本好きの老婦人が残した本を手がかりに、彼女の死の謎を解くミステリーに興味がある
ウクライナ人の介護士やゲイの老人、またゲイでシークの女警察官など多様なキャラクターが登場するミステリーを読んでみいたい
エリー・グリフィスのファン
おお〜 彩豊かな登場人物たちだな。
彼らの悩みや葛藤が物語に深みを
持たせるな。
展開やトリックがしっかりとした
古き良きミステリである部分と、
現代社会で生きるからこその葛藤や苦しみ、
喜びが描かれた読みがいのあるミステリーね。
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