こちらはホストの推し活を
するお金を稼ぐために愛人契約を
結んだ女性が快楽に溺れ、歌舞伎町と
いう沼に沈んでいく物語よ。
ホストにはまっちゃったのか。
そうなってしまう要因は
何だったんだ?
主人公は専業主婦で夫とは
一年近くセックスレスなの。
ホストへの気持ちは二次元キャラを
慕うようなもので肉体関係を持つ
なんてことは考えてもいないのよ。
ふうむ。夫とは順調とは言えない関係なんだな。
ホストへの思いがそんな風なら抜け出せないほど
はまるってこともなさそうだがなあ。
一体どんなことが起こったんだろう?
『歌舞伎町の沼』草凪 優 (著) 幻冬舎アウトロー文庫
あらすじ
結婚して三年になる二十九歳の瑠依は夫とセックスレスとなって一年近くになる。
ある日、友人に誘われて行ったホストクラブで二十歳のホスト、ユーセイと出会う。
純朴で頼りなさげな彼を気に入り、「推し」へ貢ぐお金を稼ぐため、マッチングアプリで出会った剣持と愛人契約を結ぶ瑠依。
しかし剣持の技巧にかつてない快感と自分ではなくなるような不安を覚える。
ホストへの思いを「推し活」として客観的にとらえながら、次々と官能の扉を開けていく女性が歌舞伎町という沼に沈んでいく。
ホストに貢ぐために愛人契約を結ぶ瑠依
身長一七〇センチでキリッとした顔立ちの美人である瑠依は、友人に誘われ歌舞伎町のホストクラブへ。
楽しんでいる様子の友人を横目に冷めた気持ちで飲んでいると、新人らしきホスト、ユーセイがテーブルにつきます。
先輩に叱られるユーセイを思わず指名し、それから数回、無理のない金額で店に訪れる瑠依。
ユーセイに対しては完全に二次元キャラのような思いを抱き、応援はするけれど男女の関係になるなんてあり得ない、と考えています。
稼げなくてクビになりそう、というユーセイのためにマッチングアプリを使って体を売ろうと考えた瑠依は、五十代後半の男性、剣持と出会います。
これまでにない行為と快感に戸惑う瑠依ですが、彼と愛人契約を結ぶことを決意。
そこで手に入れたお金をユーセイに貢ごうと考えていた瑠依ですが、ユーセイは「ホストをやめる」と言い出して…。
まとめ
身体的にも、精神的にも強すぎる快楽というのは一度覚えてしまうとはまりこみ、なかなか抜け出せないものなのかもしれません。
官能小説でありながら、きちんとした「自分」を持っているように見える女性が堕ちていく怖さと悲しさが描かれた、深い余韻が残る物語です。
<こんな人におすすめ>
美しい人妻がホストの『推し活』に励む姿を描いた物語に興味がある
ホストに貢ぐために体を投げ出した主婦が、精神・肉体ともに変化していく物語を読んでみたい
草凪 優のファン
こんなにしっかりとした女性が
堕ちていってしまうとは…(|| ゚Д゚)
そして衝撃の結末!!
激しい熱は自分自身をも
焼き尽くしてしまうものなのかも
しれないわね。
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