こちらはパワハラ上司の不正の
証拠を集めようとした二人の
社員が、自社のプロモーションする
舞台へと向かうの。劇場周辺で起こる
様々な出来事がつながっていくミステリよ。
パワハラ上司か。
不正しているならぜひ証拠を集めて
会社からいなくなってほしいよな。
何とかその証拠を手に入れたのだけど、
その証拠が入ったバッグを持ち去られて
しまうの。間違えて持っていった人物は
劇場に行ったことがわかり、二人ともそこへ
向かうことにしたのだけど。
うわあ。そりゃ取り返さないわけには
いかないよなあ。
舞台か!まさに上演中の現場でも
動きがあるのかと思うと
なんだかドキドキしてくるな!
どんな結末が待っているんだろう。
『バック・ステージ』芦沢 央 (著) 角川文庫
あらすじ
忘れ物を取りに会社へ戻ると、上司の机を漁っている先輩の姿を発見してしまった松尾。
先輩である康子さんは、パワハラ上司・澤口の不正の証拠を探していると言う。
その勢いに巻き込まれ協力することになってしまった松尾は、翌日康子とともに、自社がプロモーションする舞台へ。
劇場周辺では息子のことで悩むシングルマザーや役者に届いた脅迫状など、いくつかの事件が起こっていた。
彼らの出来事と、松尾と康子らの行動が次第につながりを見せはじめ、驚きの結末へと導くミステリ。
上司の不正の証拠を手にいれるはずが…
パワハラをしているが社長のお気に入りのため、実質やりたい放題の澤口。
その澤口が取引会社に水増し請求させてキックバックをもらっているという情報を入手した康子はその証拠を見つけるため、澤口の机を探っていました。
そこへ忘れ物を取りに来た松尾が遭遇し、協力することに。
その場では見つけることができず、二人は翌日有給を取り、変装して澤口の息子が通う小学校へ向かいます。
証拠を手に入れた二人ですが、何とその大事な証拠が入ったバッグを他人のものと取り違えてしまったのです。
康子のバッグを持った人物は、ある芝居を見に行ったことがわかり、二人は劇場へと向かいます。
一方その頃、劇場内ではある俳優が自分のかばんの中に入っていた脅迫状を見てがくぜんとします。
犯人をそれとなく探ろうとしますが幕開けの時が迫り…。
まとめ
不正の証拠探し、俳優への脅迫状、舞台へあがる者を支える側の人間。
様々な立場、思いを抱えた者たちが舞台に集結し複雑な模様を描きます。
しかしその形がはっきりと明確になった時、意外性と説得力の強さに思わず唸り、なおかつスッキリとさわやかな読後感が味わえるミステリです。
<こんな人におすすめ>
上司の不正を暴くべく変装して立ち回る社員を描いたミステリを読んでみたい
パワハラ上司、若手社員、シングルマザー、演出家、俳優など様々な立場の人物たちが絡み合い衝撃の結末へと向かう物語に興味がある
芦沢 央のファン
登場する人物たちの姿が
くっきりと浮かび上がってくるようだな。
まさに人生の数だけドラマがある!!
いくつもの人生ドラマが
かちりと一つの集結につながっていく
様が見事なミステリね。
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