こちらはコミュニティハウス内にある
図書室でのお話よ。悩みや問題を
抱える利用者に、司書がおすすめの
本と「付録」を提供するの。
本はまあ当然として「付録」
ってのはなんだ?
司書は個性的な女性なのだけど
羊毛フエルトで作った小物を
おすすめ本リストとともに
利用者に渡しているの。
羊毛フエルトねえ。
それが利用者になんらかの影響が
あったりするのかな?
『お探し物は図書室まで』青山 美智子 (著)ポプラ文庫
あらすじ
小学校の隣にある、二階建の白い建物「羽鳥コミュニティハウス」。
いろいろな講座や催しが行われるこのコミュニティハウスの中には図書室がある。
スタッフは若い女の子、森永のぞみと大柄で色白な女性の司書、小町さゆり。
仕事を続けていくべきか、夢へのふんぎりがつかない、ニートのまま家から出る気になれない…。
様々な悩みや問題を抱えた彼らに適した本のセレクトと、ちょっとした「付録」を司書が提供。
おすすめの本と「付録」を手にした彼らが見つけたものとは。
個性的な司書が提供する本とは
総合スーパーの婦人服売り場で働く朋香。
田舎に帰りたくない一心で頑張った就活で、唯一内定がもらえたためにここで働いています。
周囲のスタッフともあまり馴染めず、転職したいが何のスキルもなく…。
そんな時、唯一会話を交わせる眼鏡店のスタッフ、桐山から地域住民向けの安いパソコン教室を探してみたら?とすすめられます。
そうして羽鳥コミュニティハウスのパソコン教室に参加した朋香は、講習後パソコン関連の本を借りて行こうと思い図書室へ。
「レファレンス」とプレートが下がっている場所へ行くと、白くて大きな物体が…。
この大きな女性、小町は「何をお探し?」と朋香にたずねます。
彼女がリストアップしてきたのは初心者向けのエクセル教本数冊と絵本の『ぐりとぐら』。
何故絵本?戸惑いながらも借りてみた朋香。
仕事でトラブルが発生した日、先輩の意外な一面を見て、ふと『ぐりとぐら』の黄色いカステラを作ってみようと思い立ちます。
まとめ
何とも個性的な司書、小町がこれまた独特な動きで利用者の悩みに効く本と、羊毛フエルトで作った小物を「付録」として提供します。
朋香の場合は「フライパン」。
それが『ぐりとぐら』とつながっていき、彼女の視点を変え、自分自身で進むべき道を歩んでいくことになるのです。
コミカルなやりとりでクスッと笑いつつ、本や「付録」で忘れていた大切なことを思い出し、明るい未来へ向かって歩き出す利用者たちの姿に胸があたたかくなる5つの物語。
<こんな人におすすめ>
独特の個性と優れた選書を勧めてくる司書がいる図書室の話に興味がある
司書に勧められた本から自分の問題を解決するヒントを見出していく話を読んでみたい
青山 美智子のファン
どわ〜〜〜っ
小町さん 好きすぎる!!
俺も「付録」欲しいぞ!!
小町の圧倒的な個性に目を奪われがち
だけれど、フックを持たせた
選書ラインナップにも注目の物語ね。
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