こちらは世界各地の秘境を
探検してきた著者が
これまで味わった珍食・奇食を
紹介するエッセイよ。
おお〜 日本人が訪れた
こともないようないろんな
場所に行ってるもんなあ。
すごいのが出てきそう。
比較的メジャーなタイの
『虫の缶詰』やアフリカで
食したゴリラの肉、チンパンジーの
脳みそなど、それから…
わわわわかったわかった!!
冒頭だけでも十分衝撃的だ。
でも他にもどんな「食」が
あるのか気になるぜ…(怖いけど)
『辺境メシ ヤバそうだから食べてみた』
高野 秀行 (著) 文春文庫
概要
好奇心は胃袋の限界を超える。
ヒキガエルジュース、ヤギの糞のスープ、オーガニック・巨大ネズミ串焼き…。
辺境地の探検家として名を馳せる著者が、これまで各地で口にしてきた「珍食」「奇食」たち。
日本の都市部ではまず出会わないような料理や酒が並ぶ様子を目にした瞬間「ヤバいんじゃないか」となるが、一度口にすれば意外とイケたりする。
やがてそれは「ヤバそうだけど食べてみよう」から「ヤバそうだから食べてみよう」となる。
決して胃腸は強くない著者だが未知の料理を目にしたら食わずにはいられない。
抱腹絶倒の料理エッセイ。
辺境地で出会ったインパクト抜群の料理を食す
世界中の辺境地を訪れてきた著者が、これまでに出会った各地の珍食・奇食をその土地の文化なども織り交ぜ、解説。
アフリカ、南アジア、東南アジア、日本、東アジア、中東・ヨーロッパ、南米の七つのエリアごとに料理や作っている様子を紹介していきます。
まずはアフリカのゴリラ肉で先制パンチ。
早大探検部時代のことだそうで、感想は…固い。
チンパンジー、そしてサルの脳味噌も。
サルの脳味噌は美味で、ジャンケンで取り合ったのだとか。
固くてまずいイメージの水牛の肉を何と生で出すネパールのカトマンズ。
ユッケのような味わいは絶品で、酒が欲しくなる一品。
また水牛の脊髄をタマネギ、ニンニク、スパイスと炒めた料理はマシュマロのような歯ごたえとちゅるんとした喉越し。
タイではワインのつまみ用として作られている虫の缶詰を食す。
モグラコオロギ、ゲンゴロウ、蚕のさなぎ、バッタ、赤アリの卵等を農業貿易研究所の職員が調理。
薄味で丁寧に仕上げられた虫たちは現地で造られたワインとも相性抜群。
マイルドなものからハードなものまで世界中の様々なインパクトある料理を、写真も挟みつつ紹介していきます。
まとめ
未知の食を体験することは、そのたびに自分の価値観がひっくり返されるということ。
新しい世界を知ることでさらに新しいものを得ようとする著者の好奇心には毎度驚かされます。
豪傑かと思いきや現地の人々に馴染もうとする気遣いを見せたり、リズミカルでユーモアたっぷりながら現地の人へのリスペクトを感じさせる細やかな配慮が感じられる文章で、料理に「ひええ」となりながらも不快になることなく、楽しく読み進めることができます。
でもやはり食事前と食事中に読むことはおすすめしない一冊です。
<こんな人におすすめ>
見たこともないような食の体験レポを読んでみたい
食とともにその地域の文化や環境を学べるようなエッセイに興味がある
高野 秀行のファン
こりゃすごい!!
食のインパクトだけじゃなくて
これらの料理が生まれた背景なども
きちんと調べているところがいい。
現地へのリスペクトを感じる!
胃腸が丈夫というわけでは
ないけれども果敢に挑んでいく
姿勢が素敵よね。それは現地の人と
少しでも近い場所に立ってその
文化を取り入れよう、理解しようという
考えからなのかもしれないわね。
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