こちらは『眠り医者ぐっすり庵』
シリーズ第四弾よ。藍は京都へ
お茶の修行に出かけるの。
おお〜 近くの料理屋奉公でも
苦労していたのになあ。
今度は江戸を出ることになるのか。
大丈夫なのか?
京へ帰る長海和尚やお伊勢参りに
行く人々と同行させてもらえることに
なったの。でも旅の途中でも
様々なトラブルに巻き込まれてしまうわ。
ありゃあ 旅先であれこれ起こると
大変だしい不安だよなあ。
お嬢様の藍は無事に京に着くことが
できるんだろうか?
『京の恋だより 眠り医者ぐっすり庵』
泉 ゆたか (著)実業之日本社文庫
あらすじ
お茶対決のために京都からやってきた長海和尚。
眠りが浅い、という老僧の悩みを解決したぐっすり庵の松次郎と藍。
千寿園の跡を継ぐ者として、お茶のもてなしの心を学ぶため京へ修行に出ることとなった藍は、和尚とともに向かう京への道中で、また、たどりついた京でも眠りについて悩む人々と出会う。
若き医者・幸四郎の手伝いをすることになった藍。
幸四郎は何と、兄の松次郎のことを知る人物だったのです。
お茶の修行のため 一路京へと向かう藍
お茶対決での勝負をきっかけに、神田明神の山道で千寿園の分店を出すことに。
出店の手配をしてくれた一心には、千寿園の跡を継ぐつもりなら江戸を離れてみたほうがいい、と言われます。
伯父たちを説得し、京へ戻る長海和尚とともに旅立ち、宇治の萬福寺で修行することになった藍。
慣れない旅路に苦労しつつ、兄が持たせてくれた、愛猫ねうを模して作られた「ねう人形」を胸に眠ろうとするのですが…。
緊張していたせいかよく眠れなかった藍は、坂道で貧血を起こしてしまいます。
仲間たちに助けられ、何とか難所を越えますが、今度は和尚の体調が優れない様子。
無理は禁物と心に刻む藍に、旅先で知り合った男が話しかけてきて…。
道中いくつかの災難には遭ったものの無事に京に着いた長海と藍。
その萬福寺へやってきたのは若き医者・幸四郎でした。
お茶のことだけではなくぐっすり庵での参考になるのではと考え、幸四郎の手伝いをすることになった藍。
聞けば幸四郎は長崎で兄・松次郎とともに医術を学んでいたことがあるとのこと。
そんな幸四郎のもとに眠れない悩みを抱える患者がやってきます。
誠実で真面目な幸四郎に惹かれていく藍。
しかし江戸へ戻る日がだんだんと近づいてきて…。
まとめ
素直ですが警戒心が低く脇の甘い藍にハラハラ。
一歩間違えば…という危険な目に遭ったりしますが、そのことを糧に反省して心がけを立て直していく姿に、やはり応援したくなってしまいます。
京では兄と同じ医者である幸四郎と良い雰囲気に。
さらにこちらにも登場する眠り猫の存在がエレガント。
二人の間を良い感じに近づけてくれます。
とはいえ中身が少々幼い藍とひたすら真面目な幸四郎が今後どうなっていくのか目が離せません。
猫の活躍と恋の行方が気になる、シリーズ第四弾です。
<こんな人におすすめ>
眠りの悩みを持つ江戸や京の都の人々とそれに寄り添う医者や猫、そして一人の少女を描く話に興味がある
『眠り医者ぐっすり庵』シリーズのファン
泉 ゆたかのファン
いやあ無事に着いて良かったなあ。
しかし今度は藍に恋の予感だって!?
いやはや果たしてどうなることやら。
環境の変化は眠りに大きな
影響を与えるのよね。
京で幸四郎と過ごす日々を
眠りに生かしていこうとする
藍を応援したくなるわね。
『眠り医者ぐっすり庵』シリーズのイラストブックレビューはこちらからご覧いただけます。