こちらは小さな人形店に
持ち込まれた人形たちの
謎を解くミステリーよ。
人形店。どんな人形を扱う店なんだ?
日本人形?アンティークドール?
修理をメインに行っているのだけど
人形作家のオリジナル作品やテディベアなど
なんでも取り扱っているの。
なるほど〜。それは高い技術が
必要になりそうだな。それに、
持ち主はみんな人形に思い入れがありそうだ。
どんなドラマが潜んでいるのか、楽しみだぜ!
『たまさか人形堂ものがたり』
津原 泰水 (著) 創元推理文庫
あらすじ
勤めていた広告代理店を突然リストラ解雇された澪は、祖母が遺した小さな人形店を継ぐことに。
主軸を人形の小売りから修復に移し、新卒の冨永と謎は多いが確かな腕を持つベテラン・師村の二人の助けを得ながら何とか経営している。
店に持ち込まれるのは顔面が破壊された古い創作人形、一度修復したのにまた手足や頭がバラバラになったテディベア、精巧なラヴドール…。
その人形たちに込められた思いとは。
テディベアはなぜ壊されるのか?
人形に関する知識は深くはないけれど、祖母の店を畳むのもしのびなくて「たまさか人形堂」を継いだ澪。
無給でも良いから雇ってくれという人形マニアの冨永と、新聞の募集を見てやってきた中年男性・師村の二人で人形の修復を行っています。
ある日、店に持ち込まれたのは、美しいドレスを着た大きな創作人形。
ただ、顔面だけが壊されています。
持ち主の顔をモデルに作られたものなので、そのようになおしてほしい、とのことですが…。
また、小学二年生の無口な男の子、大樹君とその母親がテディベアの修復依頼で店にやってきます。
二度目の依頼に、冨永はテディベアが壊される理由について考えていきます。
まとめ
人形が作られた時、その人形が人の手に渡るとき、そこには様々な人間ドラマがあります。
人形に触れることで持ち主や作った人間の思いに心を寄せ、その謎を解決していきます。
人間たちに起こる問題の根本を知るのは実は人間を眺めている人形たちなのかも。
人形の来歴やその人形に魅せられた人間たちが紡ぐミステリー連作集です。
<こんな人におすすめ>
人形を修復する店に持ち込まれた謎を解くミステリーを読んでみたい
人形や持ち主にまつわるドラマを描いた話に興味がある
津原 泰水のファン
へえ〜。それぞれの人形の
用途や歴史なんかも入っていて
人形解説本としても楽しめるな。
人形を作った人の思いも
その人形を愛する人の思いも
それぞれにあるもの。そこには
正解も不正解もないのよね。
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