『たぶんねこ』 畠中 恵 (著) 新潮文庫
あらすじ
江戸の大店の一人息子、一太郎と妖たちが活躍する「しゃばけ」シリーズ第12弾。妖と恋人たちが入り乱れるお見合い騒動、生きがい(?)を求めて悩む幽霊など計5編。
幽霊が江戸へ行きたい理由
狐がいる髪の庭から、どうしても江戸へ行きたいとやってきたのは月丸という名の幽霊。果たして何のために戻ってきたのか。
行きていた頃は職を転々とし、一つのものを勤め上げることができなかった。髪の庭では狐やたぬきに化け方を教わるも今ひとつの姿。何をやっても中途半端な月丸は、黄泉の国へ帰ってはどうかと勧められるのだが。
まとめ
一太郎は優しいだけでなく、皆が納得し、丸く収まるような解決力を身につけています。「仕方のないこと」と諦めずに、最善策をひねり出すひねり出すのは、自分の体が病弱ゆえ思うようにならず「仕方のない」ものだと常に感じているからでしょうか。
それゆえ他者の幸せは諦めない、という強いやさしさが伝わります。優しいだけでなく、解決するだけの力をつけた一太郎の成長が感じられる一冊です。
<こんな人におすすめ>
若だんなの働きぶりを見てみたい
若だんなの成長の様子を見てみたい
しゃばけシリーズのファン
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