『人間に向いてない』 黒澤 いづみ (著) 講談社文庫
あらすじ
引きこもりやニートの若者の間で奇病が流行。異形性変異症候群と呼ばれるその病気は、一夜にして奇妙な生物へと姿を変える。息子の優一がおぞましい芋虫の姿になってしまったため、母・美晴は苦悩の日々を送る。
変化してしまった息子に対する苦悩と葛藤
中型犬ほどの大きさ、意思の疎通ができているかもわからず、とにかく見た目が気持ち悪い芋虫となってしまった息子の優一。夫は嫌悪感を示し、捨てろと言います。
それでも我が子だからと世話を続ける美晴は、同じ病気の子を持つ親たちの集まりに参加。変異にも様々な形があり、家族たちの様子もまたそれぞれにあることを知ります。
ようやく理解し合える仲間ができたと感じる美晴。しかし、ある日の夕方、気がつくと優一がいなくなっていたのです…。
まとめ
異形の者たちは動物や植物などいろんなバリエーションがありますが、どれもグロテスクです。世話をする側も世間から冷たい目で見られたり、世話そのものに苦労したりと、大きなストレスがあります。
それでも愛することができるのかと、神から突きつけられた人間への挑戦状のように感じる物語です。
<こんな人におすすめ>
奇形に変化する病気に対する家族や社会の目線を描いた話に興味がある
家族とはなんなのかを描いた話を読みたい
黒澤 いづみのファン
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