『太宰治の辞書 』 北村 薫 (著) 創元推理文庫
あらすじ
みさき書房の編集者として働く「私」は、太宰治の「女生徒」の謎に出会う。
太宰は「ロココ料理」で何を伝えようとしたのか?円紫さんの言葉に導かれ、「私」は謎を探るための旅に出る。
膨大な知識から太宰の足跡をたどる
息をするように本を読み、本から本へと連想が広がり、作家が書いたその背景へと想いを寄せている「私」。
膨大な知識量にはただ目を見張るばかり。
かといって堅苦しい解説だけでなく、太宰の人間臭い部分も多く綴り、本人の生きていた気配を身近に感じるような、不思議な感覚に陥ります。
まとめ
落語家、円紫さんとのやりとりも仲の良い親戚の叔父と姪のような、温かなものを感じます。
人が綴った文字が、人の気持ちを動かし続けている。
そんな文学作品の良さを口語形式の論文のように、ていねいに教えてくれる物語です。
<こんな人におすすめ>
太宰治のファン
近代文学が好き、または苦手
《円紫さんと私》シリーズのファン
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