のこ
こちらは次作が書けない
新人作家を描いた物語よ。
ぬこ
作家なのに書けなかったら
死活問題だろ。
のこ
この主人公も褒められた生活を
送っていたわけではないの。
10年ぶりにあった友人から
頼みごとをされ、人探しを始めるのよ。
ぬこ
次作の書けない作家に
人探しができるのかな?
『ビコーズ 新装版』 佐藤 正午 (著) 光文社文庫
あらすじ
次作を書けずにいる新人作家のぼくは、ある日、十代の頃によくつるんでいた友人、寺井と十年ぶりに再開する。しかし、彼はぼくに無茶な依頼をしたあと、姿を消してしまった。思いがけず始まった人探しから、考えまいとしていた十年前の記憶がよみがえる。若き日の恋と苦い過去が織りなす人間模様。
イヤミを言っては女に悲しい顔をされ、夜になれば飲みに出かける。次作が書けない新人作家のぼくは、担当編集者にもさじを投げられるような生活を送っていた。しかし、昔の友人、寺井と会ってからその生活に変化が訪れる。
まとめ
全てを見せようとせず、常に片目をつぶって生きてきた主人公。昔の恋人を捜すうちに、見えなかった、見ていなかった事実や人の思いが少しずつ明らかになっていきます。両目を開いた主人公が体験し、感じたことは作品の糧となっていくのでしょう。
<こんな人におすすめ>
空回りする若者の物語を読みたい
過去に囚われ、上手く動けない若き作家の話に興味がある
佐藤 正午のファン
リンク
ぬこ
なるほど!
人を探すことで作家としての
「目」を取り戻したんだな。
のこ
見たくない事実に目を
向けることで、人として一回り
大きくなったのね。だからこそ
筆が取れるようになったのかも
しれないわ。
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