自らつくりあげた孤独に呼応する人間を求めて

『左目に映る星』 奥田 亜希子 (著) 集英社文庫

あらすじ

左目の視力が弱く、乱視も入っている26歳の早季子は、嫌なことがあると自然と良く見える右目を閉じ、ぼんやりとした世界を見るようにしている。自分を理解してくれる人は小学校のときに仲が良かった吉住君だけだ。その吉住君と同じ癖を持つ宮内の存在を知る。会ってみると宮内はアイドルのおっかけをしていて、そのライブに早季子も同行することになるのだが。

まとめ

誰にも理解されない、という孤独を抱え、合コンに参加し、出会った男性と一晩限りの関係を持つことを繰り返している早季子。わかってもらえないと言いながら自ら孤独をつくり出し、自分をわかってもらう努力も、相手をわかろうとする努力もしなかったのです。アイドルおたくであり、女性とろくに話したこともない、という宮内のアイドルを追う理由に、早季子は自分自身を見つめ直すきっかけを得るのです。

<こんな人におすすめ>

「孤独」を抱えた人間の話を読みたい
人との関わり、距離感を描いた話に興味がある
奥田 亜希子のファン

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