2021-05

イラストブックレビュー

49日間のバイトで見つけたわたしの忘れ物

『わたしの忘れ物』 乾ルカ(著 )のイラストブックレビューです。まだ雪の残る三月。H大学の三年生、中辻恵麻は大学の学生部へ訪れた。すると奨学係の女性から、バイトを紹介される。それは商業施設の忘れ物センターでの仕事だった。
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突き抜けているクズ男、伊藤くんと女たち

『伊藤くんA to E』 柚木 麻子 (著)のイラストブックレビューです。千葉のボンボンで、美形で博識。でも自意識過剰で幼稚で無神経な男、伊藤誠二郎。こんな男のどこがいいのか、なぜか彼の周囲には恋愛の話題が尽きない。伊藤くんと関わった女性の目線から、傷つき、立ち上がる彼女たちの姿を描く。
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生涯に影響を与え続けるメンターとの出会い

『リーチ先生』 原田 マハ (著) のイラストブックレビューです。1954年、大分の小鹿田にやってきた、イギリス人陶芸家のバーナード・リーチ。ある窯元の弟子として働く十六歳の少年、高市はリーチ先生のお世話がかりに任命された。驚くことに、リーチ先生は高市の父、亀之介を助手としていたことがあるという。
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アイデンティティや常識の壁にぶちあたり乗り越えていく中学生日記

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』のイラストブックレビューです。著者の11歳の息子が通いはじめたのは人種も貧富もごちゃまぜの「元・底辺中学校」だった。思春期まっさかりの彼らにふりかかる様々な出来事。パンクな母ちゃんと、まっすぐに問題に向き合い、しなやかに壁を超えてく姿を描くノンフィクション。
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今の時代から戦争を「感じる」ということ

『帰郷』 浅田 次郎 (著)のイラストブックレビューです。帰るべき家を失くした帰還兵。ニューギニアで高射砲の修理にあたる職工。戦地へ赴く前の出来事を語り合う海軍兵。戦争に巻き込まれた人々が語る、戦中、戦後。今の時代だからこそ読んでほしい、反戦小説集。
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松本の魅力をたっぷりとつめこんだ日常ミステリー

『ただいまつもとの事件簿』新津きよみ(著)のイラストブックレビューです。結婚して三年になる三十三歳の真紀は、夫の転勤で長野県の松本市に転居した。イベントの中で耳にした不思議な出来事、そして友人にまつわる不可解な謎に、真紀は夫とともに挑む。
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自らの命をかけて、父の無念を晴らす!

『自殺予定日』 秋吉 理香子 (著) のイラストブックレビューです。美しく有能な継母と再婚してから、わずか一年半足らずで父が急死した。父の遺産とビジネスを受け継ぎ、これまで以上に活躍する継母の姿に、女子高生の瑠璃は、継母が父を殺したのだと思い、自らの死でその罪を告発しようと、自殺の名所と呼ばれる村へ訪れる。
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やる気のなさをキレ味鋭い文章で綴る ジワるエッセイ

『苦手図鑑』 北大路 公子 (著)のイラストブックレビューです。靴下を丸めたまま洗濯かごに入れる父親の行為は、洗濯する自分への挑戦なのか。タクシーの運転手に予言されたこの夏の鯉の行方。雪の中に落とした小銭は雪が溶けても出てこない問題…。日常に潜む「苦手」なものを、無駄に繊細な筆致で描く脱力系エッセイ。
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名もなき草の語る話がもたらすものとは

『雲上雲下』朝井まかて (著) のイラストブックレビューです。昔むかし。深い山中にぽっかりと、袋の口を開いたかのような草原に、一本の名もなき草がいた。ある日、一匹の小狐がやってきて「草どん、お話してくれろ」とせがむ。
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あなたの消したいモノは何ですか?

『君の××を消してあげるよ』 悠木 シュン (著) のイラストブックレビューです。バトン部に所属する中学三年生の小笠原幸は、最後のコンクールを控えた時期に退部を決意。その本当の理由は、教師にも親友にも話せない、四年前に起こった出来事だった…。