こちらは戦後のロンドンで
結婚相談所を設立した二人の女性が
事件に巻き込まれた依頼者の無実を
証明すべく捜査をしていく物語よ。
ほほう!女性が結婚相談所を設立。
どんな二人なんだ?
頭脳明晰、行動力もあるけれど
時に突っ走ってしまうところのあるアイリスと
上流階級出身の未亡人で、人を見る目に長けた
グゥエンの二人よ。生まれ育った環境も
性格も正反対な二人ね。
そんな二人がどうやって事件を
探っていくんだろう?
気になるぜ!!
『ロンドン謎解き結婚相談所』
アリスン・モントクレア (著), 山田 久美子 (翻訳) 創元推理文庫
あらすじ
1964年、戦後のロンドンで結婚相談所を設立したアイリスとグウェン。
戦時中にスパイ活動のスキルを身につけたアイリスと、上流階級出身で戦争により夫を亡くしたグゥエンのもとに、若く美しい女性・ティリーが入会することに。
彼女にぴったりの誠実な男性・ディッキーを紹介したのだが、ティリーは殺され、ディッキーが逮捕された。
彼が犯人だとは考えられないアイリスとグゥエンは、その身につけた能力と人脈を使って犯人を捜す。
紹介した相手が殺人容疑で逮捕された!?
無鉄砲なところもあるけれど、世間をよく知り調整力と行動力に長けるアイリスは、スパイ活動をしていた過去を持っていますが、グゥエンにはそのことは明言していません。
戦争で夫を亡くしたグゥエンは、息子と夫の家で暮らしています。
幼い息子の養育権は祖母にあり、居心地の悪い思いをしていますが、人間の本質を見抜く力はピカイチ。
そんな彼女たちが経営する結婚相談所のお客である女性が殺され、おまけにこの女性に紹介した男性が犯人として逮捕されてしまいます。
この男性・ディッキーの無実を晴らすべく、アイリスはかつての人脈を使って殺されたティリーの周辺を捜査。
グゥエンは時に突っ走りすぎるアイリスを叱ったりしながら鋭いコメントを発します。
まとめ
心に傷を負う二人の女性が、事件を負うことで自身の傷を癒し、明日へ一歩を踏み出すための力を得ていきます。
ユーモアを交えながらの会話、ロンドンの戦後の様子、働く女性の姿、おしゃれ事情など、当時の空気を味わいながら魅力的な女性たちの活躍ぶりを楽しめるミステリです。
<こんな人におすすめ>
結婚相談所を経営する二人の女性が活躍するミステリに興味がある
戦後を生き抜く女性の生き方を描いた物語を読みたい
ユーモアとウイットに満ちた会話で進む爽快な話が好き
ウイットの利いた会話が秀逸!!
テンポも良くて、最後まで
ぐいぐい読んじゃったぜ!!
女性としての苦しみや葛藤がある中で
困難に立ち向かっていこうとする姿や、
互いの状況に理解を示し、友情を深めていく
様子にも感動するミステリーね。
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