こちらは『カラスの親指 by rule of CROW’s thumb』の続編よ。詐欺の仕事から足を洗った武沢が中学生のキョウを救うために
かつての仲間たちと協力するお話よ。
久々に彼らに会えるのか!いいねえ。
その中学生に何が起こったんだ?
キョウの母親が詐欺師に騙されて
飛び降りてしまったの。キョウは
賞金の出るテレビ番組に出場するため
武沢に実演販売のノウハウを学びたい、と
頼むのよ。
ほほう。武沢から実演販売を。
無事に賞金を手にすることが
できるといいけれど…。
『カエルの小指 a murder of crows カラスの親指』
道尾秀介 (著)講談社文庫
あらすじ
詐欺師稼業から足を洗い、持ち前の口の上手さを生かして実演販売士をしている武沢竹夫。
彼の仕事を何度も見にくる中学生・キョウは武沢に実演販売を教えて欲しい、と頼む。
特技として実演販売を身につけ、あるテレビ番組に出演し、賞金を手に入れたい。
キョウがお金を欲しがるのには驚くべき理由があった。
騙された母親の仇を討ちたい中学生・キョウ
表情に乏しく、感情を表に出さない中学生・キョウは武沢に実演販売の技術を教えて欲しい、と頼みます。
キョウの母親は詐欺師に金を騙し取られました。
祖父母の会社の金も渡してしまったため、祖父母の会社は倒産。
母はショッピングモールの柵を乗り越え、飛び降りました。
母を騙した男を見つけ出したい。
探偵に頼むにはお金がいる。
だから賞金の出るテレビ番組に出演したい。
そう訴えるキョウに武沢は実演販売の技術を伝授。
オーディションにも通過し、いざ収録へ向かったキョウと武沢ですが、何とスポンサーの都合で出演は取りやめに。
そして、詐欺師について調べてもらおうと訪れた探偵社が、詐欺師と連携を取っていることが判明。
武沢は再びやひろと貫太郎、その息子のテツ、そしてやひろの妹・まひろらとともに大きなぺてんを仕掛けます。
まとめ
もと詐欺師でありながら、素直で騙されやすい武沢と、心に傷を負った中学生・キョウのコンビは、他人ながらも相手を気にかける思いやりや何とかしてやりたい、という湧き上がるような思いを感じさせます。
そしてかつての仲間達の活躍ぶりも健在。
最年少、テツの才能には目を瞠るものがあります。
最後の最後…の後までも小気味良く騙される、切なくもあり、爽快でもある物語です。
<こんな人におすすめ>
元詐欺師たちがしかける大掛かりなペテンを描いた話を読んでみたい
前作『カラスの親指 by rule of CROW’s thumb』を読んだ
道尾秀介のファン
前作『カラスの親指 by rule of CROW’s thumb』のイラストブックレビューはこちらからご覧いただけます。
あっ!!ラストはそう来たんだな!!
心地よいほどの騙されぶりはさすがだ!!
切なくもあるけれど、人との絆の
不思議さやあたたかさも感じられる
物語ね。
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