こちらは北海道に新設された私立の
中高一貫女子校に通う少女たちの
青春を描く物語よ。
ほほう。北海道かあ。
環境良さそうだな。
生徒たちものんびりしてたり
するのかね?
ところが、東京の有名私立に通う
つもりだった子や、地元出身だけど
周囲に言えない秘密を持った子なんかが
いたりするのよ。
おお〜 なかなか複雑だな。
多感な年頃の彼女たちは
どんな学生生活を送るんだろう?
『金木犀とメテオラ』 安壇 美緒 (著)集英社文庫
あらすじ
東京の進学塾に通っていた12歳の宮田佳乃は、父親の一存で北海道に新設された中高一貫の女子校へ入学することに。
プライドの高い宮田には納得のいかない選択だった。
一方、地元出身の奥沢叶も新入生総代に選ばれる優秀な生徒。
美人で人あたりも良く、人気者の彼女にはある「秘密」があった。
多感な年頃の少女達が抱く嫉妬や焦燥感、そして気づきや成長を宮田と奥沢、二人の少女の視点で描く。
タイプの異なる二人の優等生
東京のトップクラスの私立校も合格県内であった宮田は、父親の独断で北海道の中高一貫の女子校へと進学することに。
この学校ではトップであろうと自負していた宮田は、地元出身の奥沢が総代に選ばれたことを知り、ライバル心に火がつきます。
そして、ぶっきらぼうで愛想のない自分と違い、にこやかで隙のない優等生、奥沢が不意に見せた険しい表情に、宮田は驚きます。
その奥沢は母親と狭いアパートに二人暮らし。
決して豊かとは言えない生活ですが、母の愛人に援助してもらい、何とか成り立っています。
貧乏であることをひた隠しにし、卒業後に北海道を出て一人で暮らすべく情報を集め、勉強に励む奥沢には、無理なく豊かに過ごしているように見える宮田を妬ましいと感じるのです。
タイプの違う二人が近づいたのは高校二年時の合唱コンクールでのことでした。
まとめ
プライドや葛藤に押しつぶされそうになる二人の少女たち。
そんな彼女が自分自身で縛りつけた鎖から解放されるのはこの学校で起こる小さな奇跡が起きる時。
そしてその奇跡はやがて彼女たちを支える大きな力となっていくのです。
<こんな人におすすめ>
北海道の自然豊かな中高一貫の女子校での少女達を描いた青春小説に興味がある
少女達の嫉妬や葛藤、焦燥などを抱えながら生きる姿を描いた物語を読んでみたい
安壇 美緒のファン
全く異なる環境を生きる二人が
出会い、相手を見ながら自分自身を
見つめ直していくところがいい。
彼女たちの成長ぶりが目に見えて
まぶしく感じるぜ〜〜
友人、ライバル、教師たち。
様々なものが彼女たちの芯と
なるものを作り上げていくのね。
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