こちらは高校の自由研究のテーマに
町で起きた事件を取り上げ、関係者に
話を聞きながら真実を探る女子高生を
描いたミステリよ。
ほほう。自由研究でね。
どんな事件だったんだ?
ある女子高生が行方不明になったの。
容疑者とされた彼女のボーイフレンドが
自殺。主人公のピップは自殺した彼の
弟・ラヴィとともに真相を探るわ。
事件から何年も経っていて
おまけに女子高生という立場。
真相を見つけるのは難しそうだが…。
『自由研究には向かない殺人』
ホリー・ジャクソン (著), 服部 京子 (翻訳) 創元推理文庫
あらすじ
高校の自由研究のテーマとして、五年前に自分の住む町で起きた事件を調べているピップ。
十七歳の少女が失踪し、交際相手の少年が自殺したことから、彼が少女を殺した犯人だったとされているが、彼を知っているピップはどうしても犯人だとは思えない。
彼の無実を証明するため、関係者にインタビューをするが、容疑者が次々と浮かんでくる。
ピップは真犯人を見つけ出せるのか。
不審な言動や行動を取る関係者たち
五年前、十七歳のアンディ・ベルは金曜の夜、自宅から消息を絶ちました。
いまだ見つかってはいませんが、殺されたのでは、と噂されています。
アンディのボーイフレンドであるサル・シンは当日友人らと過ごしていましたが、後日この友人たちはサル・シンに実際とは異なる帰宅時刻を警察に話すように言われた、と話します。
そしてサル・シンを知っていたピップは、彼がガールフレンドを殺したとは思えず、この事件を自由研究のテーマとして取りあげ、サル・シンの弟であるラヴィと協力して、関係者から話を聞いたり事件に関する情報を集めます。
そこで出てきたのは関係者たちのあやしげなそぶりや言動、そして意外なアンディのもうひとつの顔。
そのうえ、何者かからピップを脅迫するメッセージが…。
まとめ
若者の鬱屈したパワー、差別、マウンティング、行き場のない苦しい思い。
正義感が強く、まっすぐなピップの背後には多くの黒い感情が渦巻いています。
その真実を明らかにすることで彼らの運命は大きな音を立てて動き出す。
そんな風に感じるミステリーです。
<こんな人におすすめ>
過去の事件の真相を見つけ出すべく奮闘する女子高生の話に興味がある
差別や報道の問題に目を向けたミステリを読んでみたい
冤罪に苦しむ家族の様子を描いた物語に興味がる
おお!ピップのまっすぐさが
彼らの黒い部分をあぶり出していく!!
事件に関わることで、ピップたちの
人間的成長も見られる、ミステリは
もちろん人間ドラマや青春小説としても
楽しめる物語ね。
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