『レッドクローバー』まさきとしか (著) 幻冬舎文庫

こちらは東京で起こった
ヒ素混入による殺傷事件と
過去に起こった類似の事件との
関わりを探ろうとする記者の物語よ。

過去に起こったってのは
どんな事件なんだ?

北海道のとある街で一家四人が
ヒ素中毒により死亡したの。
一家でただ一人生き残った
当時高校一年生の娘が犯人ではと
言われていたけれど証拠不十分で
逮捕はされなかったのよ。

今もその娘はどこかで生きてるって
わけか。今回起こった事件と
どんな関係があるんだろう。
あらすじ
東京・豊洲のバーベキュー場でヒ素混入による男女三人死亡、四人が中毒となる事件が発生。
十数年前に北海道で起こった事件を連想させる今回の出来事を記事にしてみないか、と編集長から提案された勝木。
彼は過去に起こった事件でたった一人生き残った少女、赤井三葉の姿を思い浮かべ、今回の事件にも関係あるのではないかと考えその行方を追う。
十二年前を思い起こさせるヒ素混入事件
SNSで集った仲間の飲み物にヒ素を混入させた大量殺傷事件は大いに世間を賑わせます。
雑誌社に努める勝木は十二年前に北海道の灰戸町で起こった「レッドクローバー事件」を思い出します。
一家四人、夫、妻、長男、夫の母親がヒ素中毒により死亡。
当時高校一年生だった長女がっただ一人の生存者であり、実行犯の可能性もあったが証拠不十分のため逮捕されなかったのだと世間ではささやかれ、事件は長女の名を取ってつけられた名称だとされています。
当時、新聞社の北海道支社に勤務していた勝木は取材のため現地を訪れていました。
遠目ではありますが、家族を失ったその食卓で、一人でカップラーメンをすする長女の姿を目にした時、グロテスクな怪物をみたような感覚になったのでした。
今回のバーベキューじょの事件にもヒ素が使用されており、犯人の丸江田といまだ真相が明らかになっていないレッドクローバー事件の関係者である長女に何か関わりがあるのではないか。
丸江田との面談が叶い、彼は過去の事件と長女について興味を示しました。
長女は今、どこで何をしているのか。勝木はその行方を追うのですが…。
まとめ
美しい景色もこれといった特産品もないどことなくくすんだ色の灰戸町。
埼玉からこの地に越してきた内気な少女・ちひろと、そんなちひろに声をかけてくれた年上の三葉。
近所の人たちが三葉の家に向ける目線や、近所にある朽ちかけた神社。
行き場がない、と感じる環境の中で女たちが抱える悪意の連鎖が思わぬ形で事件へとつながっていきます。
取材者である勝木の埋められない寂寥感、そして変化していく女たちの価値観や状況。
それぞれに抱いた怒りや絶望がひしひしと感じられる、ミステリーでありながら大河ドラマを見たかのような、彼らの人生について思いを巡らせたくなる物語です。
<こんな人におすすめ>
ヒ素による集団殺人事を巡り過去の事件との関わりを暗示するミステリーに興味がある
北海道の小さな町で女たちの怒りの連鎖が事件を起こす物語を読んでみたい
まさきとしかのファン


うわああああ…
悪意の連鎖がこんな悲劇を
生み出すとは…

女たちの人生に抱いた怒りや
絶望が思わぬ結果を生み出すのね。
衝撃の結末に思わず脱力してしまう
読み応えのあるミステリーね。
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