
こちらは高校生男子と正体不明の
中年男性が、史実上記載されているものの
存在が明らかになっていない謎の書の
正体を探っていく物語よ。

へえ〜 正体不明の書ねえ。
それはいったいどんなものなんだ?

地元の旧家にあった蔵書目録に記載されていた
『皆のあらばしり』という作品は
その著者の作品名の中には存在しないというの。

なるほどね。世に出ていないその作品の
存在が明らかになったとしたら
歴史上の大発見になるかも!?
ロマンがあるなあ。
『皆のあらばしり』乗代 雄介 (著) 新潮文庫
あらすじ
高校生のぼくは栃木の皆川城址で一人の男と出会う。
三十代の関西弁を喋るうさんくさい男とともに、ひょんなことから謎の書の存在を探ることに。
史実や推理を重ねながら二人がたどりついた謎の書「皆のあらばしり」の正体とは。
正体不明の男と謎の書の真相を追う
「なんや、人間やんけ」階段の上から立ってぼくを見下ろしていた男はあれこれと話しかけてきました。
出張ついでに観光に来たという男は歴史研究部に所属する僕の資料に注目します。
それは昔の皆川城内村で酒屋を営んでいた竹沢屋の蔵書目録。
現代も存在するその竹沢家に案内してほしいという男と、道すがら地域の歴史について話をするうちに彼の博識ぶりに驚くぼく。
男は高校から大学にかけて歴史研究会に所属していたのだとか。
翌日は男の要望で琴平神社を案内することにしたぼく。
そこで男はぼくに神社の講釈をたれつつ、ビニール袋を取り出し、ゴミを拾いはじめます。
茶番だと言いながらもゴミを拾い上げるぼくを見て男は嬉しそうな様子。
そこで偶然同じ学校の歴史研究部の後輩、竹沢と遭遇。
竹沢家の人間であり自宅に古い資料があるため「良かったら見ます?」と声をかけられ、ぼくと男は彼女の家にお邪魔することに。
そして手にした竹沢屋蔵書目録の中に『皆のあらばしり』との署名がありますが、作者の作品にはそのような記録は残されていないと男は言うのです。
世に出ていない新しい作品の発見か、と興奮したぼくは男とともに謎の書の正体を探ることに。
まとめ
話すことは適当で連絡先も教えない。
そのくせ、歴史に詳しい謎の男と、ごく普通の歴史好きの男子高校生が、一冊の謎の書について探っていきます。
二人のやりとりの中では、歴史は役に立つのかといったことから、史実に基づいて考察を展開していく楽しさが軽やかな言葉で語られていきます。
調べを重ねていくうちに、いったいどこに着地するのかと思えば、予想外かつ見事なラスト。
一人の少年の成長と、どこまでも歴史を愛する二人の交流、そして心にとどめておきたい人生訓のようなセリフが満載で楽しめる物語です。
<こんな人におすすめ>
未だ明らかになっていない謎の書を追う高校生とおじさんの物語に興味がある
嘘と真実が入り乱れながらも歴史の楽しさや想像を広げる楽しさを感じられる本を読んでみたい
乗代 雄介のファン


適当な雰囲気を醸しつつ
人生のためになるようないいことを
ちょいちょい言う男だな。
付箋をいっぱいつけたくなるぞ。

歴史の探求とは
事実をただ理解するのではなくて
知るための情報収集や思索することで
価値観の広がりと成長を感じられる
醍醐味があるのかもしれないわね。
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