こちらは幼い娘を失った
女性が一人で営むドライブインに
小学生の男の子と年長の妹の兄妹が
やってきてひとときを過ごすお話よ。
兄妹が二人だけで?
親はどうしたんだ?
男の子は義父を殺し、妹を連れて
家を出てきたの。このドライブインに
やってきたのも理由があるのよ。
えっ!?なんてことだ!!
それで店の女主人も二人を
預かっちゃうの??
いったいどうなるんだ〜(゚o゚;;
『ドライブインまほろば』 遠田潤子 (著)双葉文庫
あらすじ
奈良県南部の深い山々に囲まれた村の旧道沿いにぽつんと建つ「ドライブインまほろば」。
三十七歳の比奈子が一人で営むこの食堂に、小学6年生の男の子と年長の女の子の兄弟がやってきて、夏休みが終わるまで店に置いてくれ、と言う。
詳しい事情を話さない兄の憂に戸惑う比奈子だが、妹の来海を見て、幼くして亡くした娘にその姿を重ね、受け入れることに。
比奈子はある夜、「義父を殺した」という憂の告白を耳にする。
親に手をかけた少年と、娘を亡くした母親
憂は芽衣と前夫の間に生まれました。
芽衣は前夫と離婚後、流星と結婚し、妹の来海が生まれます。
憂はある日、流星をバットで殴り殺し、仕事場のPCを盗み来海を連れて家を出ます。
店主の比奈子は、三年前に一人娘を交通事故で亡くしました。
夫とは離婚し、ほとんど客の来ない店を営んでいます。
戸惑いながら憂と来海の二人を受け入れ、子供らしい笑顔を見せる彼らに心が温かくなる比奈子。
しかし、流星の双子の兄・銀河はPCを奪い、弟を殺した憂を見つけ出そうとあちこち調べてまわり、ようやく憂とつながる情報を持つ祖父を見つけ出し、祖父宅へやってきたのですが…。
まとめ
虐待の連鎖、夢の挫折からの転落、家族に身内を殺される苦しみ。
痛みや苦しみを麻痺させて感じないようにしなければ、とても生きていけない状況に置かれた人々を、細やかにとことん描いていきます。
真っ暗な絶望の淵に落とされた登場人物たちが、僅かに差す光をとらえ、目指していく姿に熱い涙が止まらなくなる、絶望と再生を描く感動の物語。
<こんな人におすすめ>
虐待に苦しむ子供や子を失った親の悲しみを描いた話を読んでみたい
過酷な人生に光を灯すような、感動の物語を読んでみたい
遠田潤子のファン
うあ゙ぁあ ・゚・(´Д⊂ヽ・゚・ あ゙ぁあぁ゙ああぁぁうあ゙ぁあ゙ぁぁ
途中苦しくてたまらなくなるけど
最後まで読んで良かったぁぁぁ!!
負の連鎖による深い絶望の中でも
奇跡のような微かな光にすがって
生きていくことができるのよね。
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