こちらは依頼先で日本茶とお菓子、
そして占いを提供する出張日本茶カフェを
営む女性店主と、そのお客たちを描く物語よ。
出張カフェ!!しかも日本茶か。
お茶やお菓子なんかに特色が
あったりするのか?
なるべくその地域産のお茶、水、
お菓子を提供するようにしているの。
それから旅先には飼い猫も連れて
いくのよ。
ええ〜!?猫を出張先に連れて
いくなんて可能なのか??
その猫も肝が座っているんだな。
さてさて、カフェにはどんなお客たちが
やってくるんだろう。
『占い日本茶カフェ「迷い猫」』
標野 凪 (著)PHP文芸文庫
あらすじ
今年三十二歳になる如月たんぽぽは、愛猫のつづみとともに依頼のあった先で日本茶とお菓子、そして占いを提供する出張日本茶カフェを営んでいる。
ご当地のお茶や水、お菓子でもてなすと、訪れたお客は心がほぐれていく。
占いでお客の悩みを聞きつつ、彼女もまた「あるもの」の行方を探していた。心がほっこり温かくなる連作短編集。
依頼先でお茶と占いを提供する出張日本茶カフェ
日本茶カフェとして営業していた建物が老朽化のため取り壊しとなり、店を閉めることになったたんぽぽ。
新しい物件に出会えず、試しに「出張カフェ」としてSNSにあげたところ、数件の依頼が。
占いの講座も受け、カフェとあわせてタロット占いでお客を見てあげることも。
飼い猫のつづみは旅好きなようで、出先でも看板猫よろしく、大人しくしています。
たんぽぽが向かう先は個人が経営するギャラリー、シェアホテルのフリースペース、日本家屋を活かしたレストランでの結婚式、お茶の仕入れや販売意をしている店など。
地域も福岡、仙台、鳥取、奈良と様々、なるべくその土地で採れたお茶、水を使い、地元の銘菓も用意。
葉の特性を生かし、時に自由な発想でもって淹れたお茶の味わいに、お客の心も口も軽やかに。
そしてたんぽぽはある器を探していますが、お茶が結んだ不思議な縁に導かれます。
まとめ
かしこまったものではなく、お出かけ先でちょっと丁寧に淹れられた煎茶を気軽に楽しむ。
そこにはゆったりと心落ち着く時間が流れ、知らぬうちに人々の顔に笑みが浮かびます。
お茶にお菓子、猫に占い、そして旅と、女性が大好きなものがてんこもりに入った物語。
お茶が持つ力を新たに発見できる、読むだけで癒される連作短編集です。
<こんな人におすすめ>
日本各地を訪れる出張日本茶カフェを描いた物語を読んでみたい
お茶やお菓子を楽しみながら占いでお客の悩みにこたえる話に興味がある
標野 凪のファン
日本茶って一息つきたいときに
ぴったりだよなあ。あの湯気と香りは
肩の力が抜けるもんな〜。
主人公が様々な出会いから人やモノとの
縁をつなげていくところも見どころね。
ホッとできるあたたかな一杯とともに
読みたい物語ね。
日本茶もいいけど洋風のカフェも好きだな〜という方は、こちらの『今宵も喫茶ドードーのキッチンで。』をどうぞ。
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