『終電の神様』 阿川大樹 (著) 実業之日本社文庫
あらすじ
最終電車が事故で運転を見合わせる。隠れ家に向かう会社員、残業続きのIT業者、彼とギクシャクしてしまった女性。止まった電車の中で、自分を振り返り、動き出した電車とともに、自身の人生が動き出す。切なく、そしてあたたかい七話の短編集。
最終電車が事故で停止。帰宅途中や、別の場所へ向かう途中だった様々な乗客を描きます。妻からの連絡に気づかず、当の妻が病院に運ばれたと聞き、慌てて隠れ家から駆けつけた会社員。納期も経営も崖っぷちの中で、上司から休暇を取るように言われたIT業者。父の危篤の知らせを受けた青年。
ミステリー、男女の心のすれ違い、親子の絆など、様々なテイストの話が散りばめられた物語たちです。
人の表に見える部分はほんの一部。見えないからこそ、知ったときの喜びもそして哀しみも強く感じられるのかもしれません。そうした、多くの人の人生に思いを馳せるお話です。
<こんな人におすすめ>
終電がきっかけで人生が変わっていく話に興味がある
いつもと違う状況に置かれることで新たな気づきを得るような物語を読みたい
阿川大樹のファン
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