こちらは中学受験を目指す
小学生の物語よ。家族や本人、
塾講師らの視点で描かれていくわ。
中学受験かあ。小学生の頃から
遅くまで塾に通って勉強したりと
本人も家族も大変そうなイメージは
あるな。
周囲にはそういった中学受験に
対して否定的な意見を持つ大人も
登場するわ。そして金銭的な問題も。
だよなあ。勉強だけしていれば
いいってものでもないだろうな。
いろんな問題が現れる中で
彼らはどうやって乗り越えて
いったんだろう。
『金の角持つ子どもたち』藤岡 陽子 (著)集英社文庫
あらすじ
サッカーのクラブチームに所属していた俊介は、「サッカーをやめる。中学受験のために塾へ通いたい」と両親に打ち明ける。
俊介が日本最難関と言われる中学を目指すのには理由があった。
小学校入学を控えた難聴の妹・美音、今でもギリギリで何とか回っている家計の中、両親は俊介を応援していくことを決意。
俊介は塾に通いはじめ、受験勉強に取り組む。
突然「中学受験する」と言い出した息子に戸惑う家族
中学受験に挑む小学六年生の俊介。
第一章は母親目線、第二章は俊介目線、第三章は塾講師の加地目線で描きます。
突然受験をしたいと言い出した俊介に、父親の浩一は渋い顔。
難聴の妹・美音が小学校にあがるタイミング、塾の費用、自分の親が入院することなどを挙げ「俊介のわがままだ」と言います。
母親の菜月は、自分が働いて塾の費用を何とかすること。
そして家族の家計を助けるため、高校を中退したことをとても後悔していること、家族のために夢をあきらめることを俊介にさせたくない、と浩一に訴えます。
美音がお兄ちゃんに頑張って欲しい、と両親に手話で伝えたことで、家族みんなで俊介を応援することに。
塾へ通いはじめた俊介は、学校では教えてくれない塾の勉強が楽しいと感じ、夜遅くまで宿題や復讐に取り組みます。
スタートが遅かった分、人より頑張らないと、と必死に学習を続け、偏差値も上がっていきます。
そしていよいよ本番の日を迎え…。
塾講師の加地は弟と二人暮らし。
勉強がわからなくなったことがきっかけで引きこもりとなり、世話をしてくれていた母が亡くなってから飛び降りようとしたこともある弟。
実家を出て加地と二人で暮らすようになってから精神状態も良くなり、今では仕事もしています。
加地は弟のように苦しむ人間が少しでもいなくなるよう、子供に勉強を身につけさせたいと考えています。
それはやがて彼らを守る武器となるのだから…。
まとめ
「小学生らしく過ごせないなんて」と受験に反対する大人も登場します。
しかし子供達は自分なりの目標に向かって、必死に勉強に取り組んでいます。
その努力と身につけた学力は彼らの力となり、また彼らを守る武器にもなるのです。
夢を追う姿は周囲にもパワーを与えてくれます。
中学受験を体験した人も、そうでない人も物語の中に入り込み、いっしょに頑張り、応援したくなる感動の物語です。
<こんな人におすすめ>
中学受験をテーマにした物語に興味がある
中学受験に臨む小学生、親、塾講師それぞれの立場から描いた話を読んでみたい
藤岡 陽子のファン
ああああ…(இдஇ; )
こんなに頑張っている姿を見たら
応援せずにはいられないだろ!
この経験は俊介にとって大きな
財産となる!!
中学受験を検討している
親ごさんや、中学受験て
どんなもの?と考える人などにも
わかりやすくその情報が頭に入る
感動の中学受験物語ね。
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