
こちらは中国の新型爆撃機で
日本領空に現れた中国人の
女性パイロットが拉致され
警察庁の鶴来とその義兄の真丈が
彼女を救い出すために様々な敵に
挑む物語よ。

なになに軍用機に乗った女性パイロット?
怪しすぎるんだがテロとかじゃないのか?

背後では各国の工作員や暗殺者、
日本の各省庁の思惑が交錯して
いるの。そんな状況の中、立場の
異なる鶴来と真丈の二人が
奔走するの。

ふーん。国が絡むと警察も
足取りが重くなったりしそうな
イメージだな。この二人は
女性パイロットを救い出し
事態を丸く収めることができるんだろうか。
『アクティベイター』冲方 丁 (著)集英社文庫
あらすじ
小笠原諸島近辺でレーダーに探知された中国の新型爆撃機は羽田空港へと着陸。
乗っていたのは亡命を希望する中国人女性パイロット。
警察庁の鶴来は彼女を事情聴取しようと護送したが、その途中で彼女は何者かに拉致されてしまう。
鶴来の義兄であり警備員の真丈は、彼女を救出し逃亡の手助けをしようとするが。
各国の工作員や暗殺者、日本の各省庁の思惑が交錯する中、鶴来と真丈は様々な的に対峙し戦いに挑む。
女性パイロットは何者に拉致されたのか
日本の領空内に侵入したのは中国の新型爆撃機。
パイロットは女性で攻撃してくる様子がないことから羽田空港に着陸。
警察庁の鶴来は対応のために駆り出され、地元警察や外務省、経済省の人間までもが登場する中、他を上手くおさえてイニシチアブを取ります。一方。
警備会社に努める真丈は、呼び出しがあった家の様子を見に出かけますが、依頼主は何者かに刺され絶命しそうな中「あと二人。家の中…捕まえろ」と掠れ声で命じます。
全員を片付け、会社に報告し、警察を待つ真丈の前に現れたのは中国大使館から派遣されたという3人の男と、その背後に2人の警察官。
状況を伝えるために警察へ連れていかれた真丈は、しばらく待たされた後、帰っていいと言われます。
どういうことかとたずねると「誰も死んでない」ことになっているとのこと。
真丈は依頼主の家に戻り様子を調べますが、血だまりもソファもカーペットも消えていました。
一方亡命を望む女性パイロットの事情聴取を行うための移送中に、何者かによって女性が拉致されてしまいます。
依頼主の「捕まえろ」の言葉に導かれ、大使館の人間を名乗った者たちの名前と車のナンバーからある倉庫へたどりついた真丈は、中の様子を撮影しはじめましたが、そこに手錠をかけられた女がいるのを発見。
男たちと女の話は決裂したらしく、女にハンドガンが向けられます。
そこで真丈は倉庫の扉の前に立ち、思い切り左右に開け放ちます。
まとめ
核を搭載した軍用機に乗り亡命を希望する女性パイロット。
テロか、中国の工作なのか。
判断を誤れば国ごと破滅へと導く緊張感の中、対策部のトップとして立つ鶴来。
一方義兄の真丈はタコのように相手に絡みつくう技で接近戦を得意とし、身体ひとつでプロの殺し屋などにも躊躇することなく立ち向かっていきます。
各省庁や警察間でのパワーゲームをこなしながら理知的に対処する鶴来と、全身を研ぎ澄ませ実践に特化した真丈が別の方向から同じ問題に向き合っていきます。
国を揺るがす大事に立ち向かうための力は、目の前の大切な人を守りたいというシンプルな思いなのかもしれません。
各省庁との駆け引きや躍動感溢れる格闘シーンにハラハラドキドキが止まらない、一気読み必至の物語です。
<こんな人におすすめ>
日本に核が持ち込まれるという国際テロサスペンスの話を読んでみたい
身体一つで工作員や殺人のプロと渡り合うアクションを描いた話に興味がある
冲方 丁のファン


真丈すごい!なにこの技!!
こんなん見たことない。
それでいて冷静に相手を見極めて
戦っているところがまたいいね。

鶴来の理知的な対処と
真丈のしなやかな力。
大きな存在に立ち向かう
二人の異なる戦いに息をのむ
一気読み必至の物語ね。
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