こちらはある一家の
相続について描いた物語よ。
亡くなった祖父の子供達が集まるのだけど
なんと祖父の隠し子まで現れるの。
あらら!じいちゃんてば!!
そのじいちゃんはお金持ち
だったのか?
小さな家とわずかな預金程度。
それでも子供達や隠し子の登場で
相続の話し合いは揉めに揉めるのよ。
相続で揉めるのってお金持ちの
家だけじゃないの?いったい
なんだってそんなに揉めてしまうんだろうな。
『真壁家の相続』 朱野 帰子 (著) 双葉文庫
あらすじ
大学の法学部に通うりんに、祖父の死の知らせが届いた。
親族が集まる葬儀会場へ向かうと、祖父の隠し子を名乗る青年、植田が表れた。
小さな家とわずかな預金を遺した祖父の遺産相続は、予想を反して大いに揉める。仲の良かった家族は崩壊寸前の事態に。
りんは以前の家族を取り戻すべく奔走する。
祖父には長男・陽一郎、長女・浪子、次女・風子、そしてりんの父である次男・渓二郎の四人の子供がいます。
それぞれ子供がいたり、独身であったり、結婚はしているけれど子供はいなかったり。
りんの父親は五年前に失踪し、現在も行方知れずです。
しかし、法事や正月などには一同集まり、にぎやかに楽しくやっていた真壁家が、相続という問題を前に、あわや崩壊か、というところまで揉めてしまいます。
まとめ
一人の人間が亡くなることで、それまで胸にためこんでいた家族への黒い思いを吐き出し、ぶちまけるのが相続なのでしょうか。
支えとなった人が亡くなって失ったバランスは、そうしてぶつかりながら新たな家族としての着地点を見つけていくものなのかもしれません。
<こんな人におすすめ>
仲の良かった親戚が相続でどんな状態になるのか興味がある
相続の制度を知りたい
朱野 帰子のファン
ははあ。相続を機会に
それぞれの鬱憤が
放出されるわけだな。
家を出てそれぞれの家族を
持った人たちが、もとの絆を
再確認するための場とも
言えるのかもしれないわね。
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