小説・人文

イラストブックレビュー

演奏から情景を生み出すピアニストたちの戦い

『蜜蜂と遠雷(上)』恩田 陸 (著)のイラストブックレビューです。近年、その覇者が音楽会の寵児となり、世界中から注目が集まる芳ヶ江国際ピアノコンクール。自宅にピアノがない16歳の少年、風間塵。かつて天才少女と言われながら母の死以来弾けなくなってしまった20歳の音大生、栄伝亜矢。彼らの戦いの火蓋が切られた。
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待ったなし!の育児を支える保育園の現状

『戦うハニー 』 新野 剛志 (著)のイラストブックレビューです。認可外保育園に勤めることになった星野親、27歳。その保育園は、事情を抱えた家庭の子供が集まることで有名な園だった。トラブルが頻発する中、さらに園の運営形態について市から指摘され、存続の危機に立たされてしまう。
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人間の世界になじめない彼らが行きついた場所

『地球星人』 村田 沙耶香 (著) のイラストブックレビューです 。小学生の頃、自分を魔法少女だと信じていた奈月。同じ年のいとこである由宇は、自分は宇宙人なのだという。大人になった奈月は恋愛や生殖を強制する社会になじめず、ネットで見つけた夫と性行為なしの結婚生活を送る。夫とともに、かつて由宇と過ごした田舎へ訪れるのだが。
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あなたにとって大切な「思い出」は何ですか

『思い出探偵』鏑木 蓮 (著)のイラストブックレビューです。京都御所の目の前にある「思い出探偵社」は小さな手がかりから依頼人が求める人や物を探していく探偵社。元刑事の実相浩二郎は他のスタッフとともに、思い出に寄り添い、依頼人の人生の謎を解き明かしていく。
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闇が広がるメタファーの世界から抜け出せるのか

『騎士団長殺し 第2部: 遷ろうメタファー編(下)』村上 春樹 (著)のイラストブックレビューです。「あたしを殺せばよろしい」騎士団長を殺すことで、穴は開かれ、私に試練が訪れる。姿を消した少女を見つけ出すために、その穴に入らなくてはならない。
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歪んだ愛に喜び、苦しむ者たちを描いた物語

『繭』青山 七恵 (著)のイラストブックレビューです。33歳で自分の店を持つ美容師の舞は、結婚して1年になる夫、ミスミがいる。舞は、ミスミに振るってしまう暴力に悩んでいた。
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ある男の通夜に集まる縁者たちの記憶と死生観

『死んでいない者』滝口 悠生 (著) のイラストブックレビューです。大往生を遂げた男の通夜に、親戚たちや友人が集まった。縁者同士の何気ない会話やふるまいが、それぞれに生と死についての思考と記憶を呼び起こす。
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三人の女に関わる男たちの物語

『サンドの女 三人屋』 原田 ひ香 (著) のイラストブックレビューです。父の亡き後、店を残すために三姉妹が始めた「三人屋」。朝は三女がモーニングを、昼は次女がうどんランチ、夜は長女がスナックを経営。長女のスナックにはワケありだったり、クセのある常連客がやってきては、互いの悩みを打ち明け合う。
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開かれた穴の闇から放たれたものは何なのか

『騎士団長殺し 第2部: 遷ろうメタファー編(上)』村上 春樹 (著) のイラストブックレビューです。肖像画のモデルとなった少女、まりえは雑木林の秘密の道を通って、山荘へやってくる。屋根裏に隠された絵と「私」の描いた絵が奇妙な呼応を見せる。
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あたたかくユーモラスに描かれた「運」のお話

『強運の持ち主』瀬尾 まいこ (著) のイラストブックレビューです。営業時代に鍛えた話術を活かし、占い師へと転身したルイーズ吉田こと吉田幸子。ショッピングセンターの片隅で、悩みを抱える人の背中を押す。