小説・人文

イラストブックレビュー

物語から透けて見えるアメリカの自由と責任

『大きなたまご』オリバー・バターワース (著), 松岡 享子 (翻訳) のイラストブックレビューです。ある少年が世話をしているめんどりが、見たこともないような大きなたまごを産んだ。そのたまごから生まれた生きものにみんなが度肝を抜かれた!静かな街は一転して大騒ぎ。
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「残りの回数」が見えるとしたらどうしますか?

『あなたが母親の手料理を食べられる回数は、残り328回です。』上野そら (著)のイラストブックレビューです。ある日突然見えるようになった数字。母親の手料理を食べるたびに減っていく数字の意味を理解した僕は、それから母の手料理を食べなくなった。
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体の奥深くに刻まれた傷は癒えるのか

『Shelter』近藤史恵 (著) のイラストブックレビューです。無愛想な整体師、合田力が営む接骨院では、姉妹である二人の女性が働いている。二人は心にある傷を負っているが、合田の下で働くうちに次第に改善していっているかのように見えたのだが。
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やさしさと愛に満ちた「家族」の物語

『にじいろガーデン』小川 糸 (著)のイラストブックレビューです。六歳の息子、草介と二人で暮らしていた泉は、女子高生の千代子が電車に飛び込もうとしていた所を引き止める。それをきっかけに特別な感情を持つようになった二人は、草介とともに「かけおち」しようと決意する。
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生きてきた足跡を残すということ

『さざなみのよる』木皿泉 (著) のイラストブックレビューです。ナスミは三姉妹の真ん中。癌になり、43歳で息を引き取る。ナナスミの家族や、関わりのある者たち、そして、やがて引き継いでいく新しい命が、ナスミの記憶をつないでいく。
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相手への思いの掛け違いから起こる悲劇

『ポイズンドーター・ホーリーマザー』 湊 かなえ (著)のイラストブックレビューです。女優の弓香の元に、かつての同級生・理穂から同窓会の誘いが来た。昔から抑圧的な母親に会うのが嫌で、欠席を申し出た。しかし、理穂とメールのやりとりをするうちに、思いがけぬ訃報を聞く。
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神の領域に踏み込んだ人間たちの新世界

『新世界』柳 広司 (著)のイラストブックレビューです。原爆を研究開発する特殊なこの場所で、一人の男の撲殺死体が発見された。研究所の所長のオッペンハイマーは、友人の科学者イザドア・ラビに調査を依頼する。ラビがたどりついた先に見たものとは。
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「ウケる」ことに身も心も捧げた者たちの物語

『地下芸人』おぎぬまX (著) のイラストブックレビューです。お笑いコンビ「お騒がせグラビティー」は結成十年になるが、いまだ売れる気配はなく、同期もほぼいなくなってしまった。そんな中、相方の広瀬からコンビの解散を告げられて…。
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作家と怪奇現象は相性がいい

『妖怪と小説家』野梨原 花南 (著) のイラストブックレビューです。小説家の太宰先生と、担当編集者の水羊。彼らのいく先には、なぜか怪奇現象が発生する。中原先生や谷崎先生も登場し、事態はますます混乱を極め…。文豪たちに起こる不思議な日々の物語。
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宝石箱の中にしまっておきたくなるような少女時代

『ミーナの行進』小川 洋子 (著)のイラストブックレビューです。1972年、十二歳の少女、朋子は、芦屋の叔父の家で1年間世話になることになった。大きな家、広い庭、無口な叔母とローザおばあさん。そして1つ年下の少女、ミーナの、一家を描く物語。