のこ
こちらは様々なシチュエーションで
登場するゴーストたちを描いた
7つの短編集よ。
ぬこ
えっ それって
怖いってこと…?((((;´゚Д゚)))
のこ
怖いというよりは、不思議であったり
戦時中の出来事を想像させるような
どこか懐かしい物語たちよ。
ぬこ
へえ〜 ゴーストなのに
怖くない??それは気になるな。
『ゴースト』 中島 京子 (著) 朝日文庫
あらすじ
古びた風格のある原宿の洋館に出没する少女、戦前から戦後の激動の時代を生き延びてきたミシン、認識があやふやになってきた曽祖父が繰り返す「リョウユー」と言う言葉の意味…。様々なシチュエーションから戦禍の記憶を描く、温かくて切ない7つの短編集。
熱いひと時を過ごした女性は屋敷とともに消えて
大学時代のアルバイトでアンケートを取るために原宿の住宅をまわっていたWは、風情のある一軒の洋館を見つけます。出てきたのは若い女性で、Wはこの女性目的で洋館へ通うようになるのですが…。どことなく古風な彼女の言葉づかい、時々姿を見せる奇妙な老婆など不穏な空気も漂いつつも、家から決して出ようとしない彼女に夢中になり、振り回されるW。そしてある日、訪れるとそこに洋館はなく、更地になっていたのです…。
まとめ
戦争を体験した人やモノたちの残留思念のようなものが、現代の人間を取り込もうとするのではなく、寄り添い、佇んでいるかのようです。ここに居た、存在したのだと言う彼らのメッセージは、私たちが今あることにつながっているのだということを思い出させてくれるのです。
<こんな人におすすめ>
人々にそっと寄り添うような幽霊の話に興味がある
戦争の記憶をどこか切なく、そして温かく描いた話を読んでみたい
中島 京子のファン
ぬこ
この人たちがいたから
今の俺たちがいるんだよなあ。
のこ
そうね。そうした「つながり」を
考えさせてくれる、胸が温かくなる
物語よ。
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