イラストブックレビュー

心から求めたのは穏やかな日常だった

『殺した夫が帰ってきました』桜井 美奈 (著)のイラストブックレビューです。都内のアパレルメーカーに勤務する、二十八歳の鈴倉茉菜は、取引先の穂高に言い寄られ困っていた。自宅までも突き止められ家の中に入ろうとする穂高ともめていたところ、一人の男性が現れた。それは茉菜がかつて崖から突き落として殺した夫・和希だった…。
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「人」と「家族」の距離って難しい

『その愛の程度』 小野寺 史宜 (著) のイラストブックレビューです。ある出来事をきっかけに、血の繋がらない娘や妻との関係が冷え込んでしまった豊永守彦。家を出て一人で暮らしはじめ、変わり者の後輩や喫茶店で働くシングルマザーとのやりとりの中から、娘と妻に対する自分の本当の気持ちに気づいていく。
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ヤバい人たちが作り出すカオスは強力な引力がある

『私が失敗した理由は』 真梨 幸子 (著) のイラストブックレビューです。成功するには失敗しないことが大切。そう思っていても、なかなか「成功」とは言えない日々を過ごしている落合美緒。ある夜、コンビニで勤務先の同僚と偶然会う。その同僚は隣人一家四人を殺害した容疑で連行される。他人の「失敗」に、心をときめかせる美緒だったが。
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アルコールとウイットの効いた世界へようこそ

『ショートショートBAR』田丸 雅智 (著)のイラストブックレビューです。悩みを抱えた客が行きつけのバーを訪れると、マスターからあるお酒をすすめられた。そのお酒のアルコール度数は見たこともない数値で…。(「マイナ酒」)読者を5分間の小旅行へと誘う、21編を収めたショートショート集。
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地獄を見た者たちが見つけた明日への道

『雨宿り』 宮本 紀子 (著) のイラストブックレビューです。女手ひとつで釣り宿を営むおこうの前に、みすぼらしいなりの一人の男があらわれた。若かりし頃、雨宿りをした寺で盗賊を殺め、五十両を奪い取り、その男と夫婦となったのだが。ともに罪を犯した相手に再会したおこうが取った行動とは。
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やわらかく、あたたかな目線で綴られる猫エッセイ

『今日も一日きみを見てた』角田 光代 (著)のイラストブックレビューです。サイバラ家で生まれ、生後3ヶ月でやってきたアメリカンショートヘアのトトは、粘り強く慎重派で、運動音痴。猫にはなじみがなかった著者が、猫と暮らすことで感じる喜びを瑞々しい筆致で綴る珠玉の猫エッセイ。
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菓子職人たちの熱い思いが少女の夢を包み込む

『望月のうさぎ―江戸菓子舗照月堂』篠 綾子 (著) のイラストブックレビューです。七つのときに両親を家事で亡くし、十離れた兄は行方知れずとなったなつめは尼僧・了然尼とともに、京を離れ江戸で暮らしている。十五歳になったなつめは、神社で出会った老人との会話から、ずっと食べたいと思っていた家族との思い出の餅菓子へとつながっていく。
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新しく何かをはじめたくなってくる、ワクワクの物語

『幹事のアッコちゃん』 柚木 麻子 (著)のイラストブックレビューです。妙に冷めている若手男性社員に自分が企画した忘年会に4日間参加させ、仕事に行き詰まりプライベートでも心配事を抱える「永遠の部下」澤田美智子には自分の習い事に5日間付き合わせる。今日も頼れるアッコちゃんは皆によりよく生きるヒントを与え続ける。
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素材を吟味し丁寧に作られた、体をつくる「日々のめし」

『一膳めし屋丸九』 中島久枝 (著)のイラストブックレビューです。日本橋北詰の魚河岸のほど近くにある一膳めし屋「丸久」は、河岸で働くものやうまいものを知るものたちに愛される店。うまい汁とめし、そしてほんの少しの甘いものを出すこの店で起こる、暖かい江戸の物語。
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人と人がやさしく、ゆるやかにつながる都会の夜

『おやすみ、東京』 吉田 篤弘 (著)のイラストブックレビューです。映画会社で小道具の調達をしているミツキは、深夜に「果物のびわ」を朝九時までに探すように言われ、夜のタクシー「ブラックバード」の運転手、松井に協力を求め、夜の街を探し回る。