ポプラ文庫

イラストブックレビュー

酔客の人生を眺める猫たちが教えてくれたこと

有名な構成作家に弟子入りし、仕事といえばアイデア出しや雑用ばかりのボク。あるとき、ふらりと入った新宿ゴールデン街の店、「花梨花」で働く夢ちゃんは店で料理を作り、行き場のなくなった猫たちの世話をする。そしてボクと夢ちゃんはある約束を交わすのだ。
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自分が選んだ生き方を見ていてくれる人がいる

小学生の百音は屋上に美しい庭と祠のあるマンションで、宮司兼翻訳家の統理と二人で暮らしている。同じマンションに住む統理の友人、路有が部屋にやってきて三人で食卓を囲む。屋上の神社は断ち物の神様で、悪い縁を断ち切ってくれるという。そのため、いろんなものに縛られた人々がこの場所へとやってくる。
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街に夢を与え、人々を見守り続ける百貨店で起こる魔法

『百貨の魔法』村山早紀 (著) のイラストブックレビューです。今年で創業五十年、長年街の顔として多くの人々を笑顔にしてきた老舗デパート、エレベーターガール、新人コンシェルジュ、創業者一族など、それぞれの立場でデパートを守ろうと、今日も売り場に立ち続ける彼らは、デパートで起こる「魔法」を体験する。
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ゆるやかにはじまる かけがえのないつながり

『ライフ 』小野寺 史宜 (著)のイラストブックレビューです。やりたいことも特に見つからず、コンビニのバイトをしながら、大学時代から住んでいるアパートで一人暮らしをしている幹太。静かな日々を送っていた幹太だが、上の部屋に越してきた男が騒がしい音を立てる。
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幸せを恥じ、生き方を模索する少女の成長を描く

『i アイ』 西 加奈子 (著) のイラストブックレビューです。「この世界にアイは存在しません。」高校入学式の翌日の授業で数学の教師は言った。ワイルド曽田アイは「えっ」と声を出した。その言葉はアイに衝撃を与え、ずっと胸に残ることになる。
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豊かな自然の中で『命』と『喜び』が沁みこんでくる

『いとの森の家』 東 直子 (著) のイラストブックレビューです。緑に囲まれた小さな村に引っ越してきた小学四年生の加奈子。都会との違いに戸惑いながらもその豊かな恵みに満ちた暮らしに魅了されていく。そして森で出会ったおばあさん、おハルさんと交流を重ねるうちに命の重みや死について、生きることについて考えていく。
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若者は不幸のパワーも桁違い!?

『プラスマイナスゼロ』若竹 七海 (著) のイラストブックレビューです。不運に愛される体質の美しいお嬢様・テンコ、義理人情に厚い不良娘・ユーリ、何をとっても平均値・ミサキの女子高生トリオが今日も厄介な事件に巻き込まれる。
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だれでも、心の中に少女を飼っている

『少女病』 吉川 トリコ (著) のイラストブックレビューです。母親と呼ばれることを嫌う、変わり者の少女小説家の母・織子と、父親が違う三人の娘はいっしょに暮らしていた。四人に共通するのは「母親のようにならない」こと。自分の中の少女性を持て余し、苦悩する女性たちの姿を描く。
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何物でもない自分にヒリつく痛みを感じる季節を描く

『僕はかぐや姫/至高聖所』松村 栄子 (著) のイラストブックレビューです。進学校の女子高で、自らを「僕」と称する文芸部員たち。17歳の魂のゆらぎを鮮烈に描き出す。
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商店街の人々を守るのは長身銀髪のもと怪盗紳士

『花咲小路四丁目の聖人』小路幸也 (著)のイラストブックレビューです。花咲小路商店街で英語塾を営む亜弥の父親は長身銀髪に豊かな口ひげをたくわえたイギリス人の聖人。彼は、若い頃泥棒としてイギリスで名を馳せていた人物。その手腕で商店街の中で起こる問題を解決していく。