小説・人文

イラストブックレビュー

ひと目でわかる!イラストブックレビュー
『自転車泥棒』呉 明益 (著)

無口な父は自転車とともに失踪した。その自転車が、二十年もの年月を経て僕の目の前に戻ってきた。小説家でもあり、古い自転車のコレクターでもあるぼくは、この自転車の来し方に興味を持ち調べていくうちに、物語は国や時を超えて広がっていく。
イラストブックレビュー

いざ!!四畳半から(ちょっぴり)過去の旅へ

八月十二日の昼下がり、自室のクーラーのリモコンが壊れ絶望していた「私」はタイムマシンを発見。涼しさを取り戻すために後輩の明石さんや友人の小津、先輩たちとリモコンが壊れる前の昨日へ行くことを思いつく。しかし彼らを送り出したところで「私」は過去を改変してしまったら世界は消滅してしまうのでは、と考えたのだが…。
イラストブックレビュー

あずかりものがつなぐ 出会いと「もの」への思い

1日百円でどんなものでも預かってくれる「あずかりやさん」。静かなたたずまい、落ち着いた物腰の盲目の店主が出迎えます。さまざまな思いがつまった「あずかりもの」は人々の人生を思いがけない形で動かしていく。
イラストブックレビュー

人生は楽しんだもん勝ち!!マンションで起こる笑いと涙の人間模様

JR総武線新小岩駅から徒歩四分。築四年目、鉄筋コンクリート九階建てのマンション、ルネッサGL。マンション管理組合理事長の高倉と管理会社の癒着が発覚!?住民たちは高倉をギャフンと言わせるための結託し、作戦を立てるのだが…。
イラストブックレビュー

この神様はちょっぴりメンドくさい!?笑いと涙の5つの物語

いつもと変わらぬ朝。しかし、手首から肘にかけて大きな文字で「神様当番」と書いてある。こすっても洗っても消えないこの文字が現れた者には、神様に対して「あること」をやらねばならない。神様当番となった彼らにいったい何が起こるのか。
イラストブックレビュー

むらさきのスカートの女を通して見ていたものとは

私の家の近所に「むらさきのスカートの女」と呼ばれている人がいる。この女性のことが気になるわたしは彼女の行動を観察している。わたしと同じ職場で働くようになった彼女は、やがて司の不倫が噂されるようになり、態度もこれまでと違ってきて…。
イラストブックレビュー

覆われた自我が新たな何者かに変貌を遂げる

頭からすっぽりとダンボールの箱をかぶり、都会の街を彷徨い歩く箱男。箱の中で全てを完結し、自分たらしめるものを放棄する。贋箱男との関係、看護婦への愛など、喜びと苦しみ、美しさと醜悪さを持つ人間たちの姿がいくつも交錯する。
イラストブックレビュー

女たちが手を携えたとき 反撃の幕が切って落とされる

開業医の川辺は39歳。妻のカオルは公立病院の勤務医をしており、同じ病医院に勤める医師と浮気をしている。川辺は妻や浮気相手に対する嫉妬や劣等感が頂点に達すると、一人暮らしの女性の部屋に侵入。昏睡させ、レイプする行為を繰り返していた。被害者女性たちは二次被害を恐れ、口を閉ざしていたが、ネットを介して偶然つながっていく。
イラストブックレビュー

おひとり様専用カフェで心癒されるひとときを

ごくありふれた住宅地位の奥、鬱蒼とした木々に囲まれた小さなカフェ、「喫茶ドードー」。おひとり様専用のこの店には様々なお客がやってくる。変わらない価値観を押し付けられたり、新しい価値観の変化を強要されたりして疲れてしまった彼女たちの心と体をやさしく癒してくれる空間がここにある。
イラストブックレビュー

「いのち」に対する新しい価値観がはじまる

人口が急激に減少した世界では、人が死ぬと「生命式」というタイプの式がスタンダードになっていた。「生命式」とは、死んだ人間を食べながら男女が受精相手を探し、どこかで受精を行うもの。池谷の同僚であり良き理解者であった山本が死に、池谷は山本の生命式の銃尾を手伝うことに(「生命式」)。