小説・人文

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狂いだした歯車は思わぬつながりからまた噛み合っていく

陸上部の先輩にあこがれている高校生の結。借金を重ねて何もかもを失い、闇金の取り立てをしている乾。がんで余命半年の宣告を受けた乾の雇い主、マキ子。生まれつき四肢の動かせない、車椅子に乗った博。どん底に生きる彼らの生き様と、不思議な縁を描く。
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マンション老朽化問題で噴出するのは意地か見栄か固執か

赤坂に立つ、築四十五年のデザイナーズマンション。かつては華々しく話題にのぼっていたが老朽化にともない、あちこちで不具合が発生。改修工事をめぐり、新旧住民や建築事務所関係者など、様々な思惑が絡み合い、事態は混乱を極めていき…。
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逃れられない絶望の淵に僅かに差す光を求めて

山奥にぽつんと建つ「ドライブインまほろば」。三十七歳の比奈子が一人で営むこの食堂に、小学6年生の男の子と年長の女の子の兄弟がやってきて、夏休みが終わるまで店に置いてくれ、と言う。比奈子はある夜、「義父を殺した」という憂の告白を耳にする。
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異色のコンビが紡ぎだす 5つの別れの物語

事情により「あのバス」に乗ってどこかへ連れていかれることになってしまった星野。恋人たちに別れを告げるため、監視役であり、体がとてつもなく大きく、信じられないような暴言を吐く女、繭美とともに、恋人たちとに別れの話を切り出すが…。
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人生をそっと後押しする お弁当屋さんの小さな奇跡

坂の下にある、見た目がケーキ屋さんのような、小さなお弁当屋さんには、愛想のない女店員がいる。お弁当を買いにやってくるのは、心にモヤモヤを抱えたお客たち。ポイントカードが貯まった彼らは、店員からちょっとしたおまけをもらう。
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東京駅の地底深くにひっそりと佇む知の宝庫

東京駅の地下深くには、稀覯本ばかりを集めた「水底図書館」がある。貴重な本のオークション会場にもなっている。司書の未森は腕利きの古書ハンターの秋とともに、古書を守り、そしてふさわしい人物へとその知を届ける。
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珍名の呼ぶ悲劇がついに殺人事件まで引き起こす

大学二年生の不倫純の叔父が殺された。連続殺人鬼ヤマダの息子は全国の珍名をターゲットとし、殺害方法やその状況も名前とリンクさせている。叔父が送っていた暮らしぶりを世間に晒され、純の家族は思わぬバッシングを受ける。そんな時、純は判子職人・一(まぶた)と出会い、自分の生き方を見つめ直していく。
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倒れても倒れても…倒れても立ちあがる!!

度重なる夫からのDVに耐えきれず、小学生の娘を連れて東京へ逃げ出した、三十三歳のシングルマザー・大崎愛。自分に自信を持てず、受け身で行きてきた愛だが、寂れたボクシングジムとの出会いがそんな彼女に変化をもたらす。
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死者からの招待状は閉じこめられた彼らをどこへ導くのか

一通の招待状を受け取り、ある施設へ訪れた高校三年生の古谷桜介。他にも同じように招待されていた五人のメンバーが揃ったとき、建物の扉が閉まり脱出不可能な状態に。彼らが受け取ったのは「私を殺した犯人を暴け」という、死んだ真鶴あかねからの招待状だった。
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本が生まれ、読む人の手に渡るやさしい奇跡を描く

小さな田舎町、桜野町の書店、桜風堂をまかされている一整。地方の小さな書店ゆえ、配本がない、出版社の営業が相手にしてくれない、といった問題も。そんなとき、以前勤めていた銀河堂書店のオーナーからある提案を受ける。