小説・人文

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自分が選んだ生き方を見ていてくれる人がいる

小学生の百音は屋上に美しい庭と祠のあるマンションで、宮司兼翻訳家の統理と二人で暮らしている。同じマンションに住む統理の友人、路有が部屋にやってきて三人で食卓を囲む。屋上の神社は断ち物の神様で、悪い縁を断ち切ってくれるという。そのため、いろんなものに縛られた人々がこの場所へとやってくる。
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自分の生きる世界が崩壊していくとき人は何を思うのか

若者が贄として捧げられる孤島の秘祭「モドリ」。十四歳になった陸は今年の祭りから参加するが、そのことに不安とあきらめを感じていた。そして陸は、今年の贄が密かに思いを寄せていた同級生、高城くんであることを知る。
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若旦那のひざまくらは自分らしさを取り戻せる場所

百貨店のバイヤーとして働いていた三十八歳の長谷川芹は、京都西陣織の由緒ある織屋の一人息子、板倉充と恋仲に。充の両親は十一歳年上の芹との結婚に大反対。芹は充とともに京都に移り住み、なんとか二人の結婚を認めてもらおうとするのだが。
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ステージ上で輝く命のサポートをする医師の物語

都心の病院を辞め、実家であり、兄が院長を務める東京郊外の個人病院に籍を置くことになった女性医師・菜々子はさまざまな病をかかえてステージに立とうとする彼らを熱い思いで支えていく。
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有栖川ワールドを堪能できる14の作品集

クリスティのあの名作を新解釈で描く表題作「こうして誰もいなくなった」ほか、多彩なタイポグラフィで楽しませてくれるファンタジー「線路の国のアリス」など多彩なジャンルで物語の魅力を堪能できる14の作品集。
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正しい愛などというものは存在しない。この世のどこにも。

女性を騙し、偽の宝石を売りつけていた長谷眞ことハセと、相棒の沖遼太郎。二百万円が貯まり、ようやく違法カジノで作った借金を返せる、と思った矢先、その金を奪われてしまう。借金返済リミット目前、ハセが思いついたのは老人から金を騙し取ることだった。
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人は、色をつけて見てしまうものだから

祖母が営む駄菓子屋「かすがい」を継いだ楓子。子ども食堂の運営のほうも慣れてきた頃、常連の亜香音が家出中の友人・彩希を連れてきた。髪を染めたことに対する親や教師の対応に納得がいかないと言うのだが…。
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読了後に味わう 物語を組み立てる楽しさ

「死んでくれない?」と喋る鳥の飼い主を探す少年、定年を迎えた英語教師がアイルランドで出会った少女。殺人事件の鍵を握る、行方不明の飼い犬を探すため、ペット探偵とともに動きまわる女刑事。六つの物語は読む順番によってその印象や意味合いが変化していく。
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深い孤独と絶望の果てに見出した光とは

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人と人、人と本とのつながりが奇跡を起こす

入院中の桜風堂書店店主から店長になってほしいと頼まれた月原一整。自分にできるだろうか、と迷いながらも引き受ける決意をする。そして、「宝もの」のような一冊をめぐり、友人や元同僚、作家、出版社の営業たちが力を合わせ販売に取り組み、ある奇跡を起こしていく。