小説・人文

イラストブックレビュー

言葉の持つ「力」に打ちのめされる物語

『何もかも憂鬱な夜に』 中村 文則 (著)のイラストブックレビューです。施設で育った刑務官の「僕」は、ある夫婦を刺殺した二十歳の未決囚である山井を担当している。山井とのやりとりの中で、どこか自分と似たところがあると感じる「僕」は、自殺した友人や恩師とのやりとりに思いを馳せる。
イラストブックレビュー

「食」の面から子どもたちの成長をサポート

『かすがい食堂』 伽古屋 圭市 (著) のイラストブックレビューです。過酷な映像会社の仕事を辞め、祖母が営む駄菓子屋を継いだ、二十五歳の楓子。子どもたちから「おばちゃん」と呼ばれることにも慣れてきた頃、夕刻になるときっちり三百円分の駄菓子を買っていく少年の存在に気づく。楓子は少年のために食事を提供しようと考えた。
イラストブックレビュー

いくつもの物語が錯綜してこの世界は成り立っている

なかなか暮れない夏の夕暮れ
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凶悪な犯罪を犯した者の居場所と社会のあり方

のこ こちらはスクールカウンセラーを している女性と殺人衝動を抱えていると 打ち明ける男子高校生のお話よ。 ぬこ 殺人衝動があると言われたら カウンセラーはどうやって 対応するわけ? のこ カウンセ...
イラストブックレビュー

不条理で物悲しく、そして愛しいこの世界

のこ こちらは幽霊となって現れた 夫と暮らす女性のお話よ。 ぬこ 幽霊と暮らす? そんなことが可能なのか? のこ 妻にだけ、夫の姿が見えるの。 会話もできるのよ。 ぬこ それは良かった…のか? ...
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「死」は理屈ではない。そして「生きる」ことも。

のこ こちらはいじめられていた 女子高生がクラスメイトから 自殺方法を提案され、実践していく というお話よ。 ぬこ いくらつらくても自殺とは… で、その介助をする友人も どういった考えなんだ? ...
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おいしいスープのようにじんわりしみこんでいく物語

『それからはスープのことばかり考えて暮らした』吉田 篤弘 (著) のイラストブックレビューです。よくいく映画館の隣町で、窓をあけると教会が見えるアパートに引っ越してきた大里ことオーリィ。ある日オーリィに、サンドイッチ店の店長が「うちの店で働かないか」と持ちかけてきて…。
イラストブックレビュー

間違っても敵にまわしたくない女、それは陽子

『我ら荒野の七重奏』 加納 朋子 (著) のイラストブックレビューです。出版社で文芸部の編集としてバリバリ働く陽子は、一人息子の陽介を溺愛している。そんな陽介が中学受験に落ち、公立中学校で吹奏楽部に入るも希望のパートを持つこともできず。落ち込む陽介の姿をみかねて陽子は立ち上がる!!
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極限状態における神とは、祈りとは何なのか

『弥勒』 篠田 節子 (著) のイラストブックレビューです。新聞社で展覧会を企画・運営する仕事をしている永岡は、妻の髪飾りがヒマラヤの国、パスキムの破壊された仏像の一部と気付く。美術品持ち出し禁止の国で政変があったことを知り、密入国を試みた永岡が目にしたものは虐殺された僧侶たちと壊滅した都市だった。そして革命軍に捕らえられ…。
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命と向き合うシェフと猟師の絆を描く

『みかんとひよどり』 近藤 史恵 (著) のイラストブックレビューです。フランスで修行し、日本に帰って店を開くも、客が入らずに閉店。いくつもの店を持つやり手の女性オーナーにフレンチの料理人として雇ってもらった亮二。ある日、飼い犬のピリカとともに、猟ををしようと山に入ったところ、道に迷ってしまう。